s**t kingzが語る、ステイホーム期間とライブストリーミングスダンスショーを通じて向き合ったシッキンの原点
s**t kingz(シットキングス、通称シッキン)が、ライブストリーミングスダンスショー『NAMA!HO!SHOW‼~ON&OFF~(読み:ナマホウショー~オンアンドオフ~)』を8月29日20時に開催する。
新型コロナウイルスによる“ステイホーム”の期間中、シッキンは「炎のシッ金WEEK」と題した無料オンラインダンスレッスンや、オンライントークイベント「s**t kingzのオンラインオフ会~5夜連続生配信~」などを通してダンスの楽しさと笑顔を届けてきた。さらに、6月13日にはライブストリーミングスダンスショーのトライアル公演『s**t kingz presents NAMA! HO! SHOW! -Live streaming dance show-』を開催。緊急事態宣言が解除され、いち早く自分たちの表現方法であるダンスを使って「僕たちは皆さんに笑顔を届けるダンスエンターテインメントを止めない」というメッセージを伝えた。
今回のインタビューでは、6月の『NAMA! HO! SHOW! 』についても振り返ってもらいながら、自粛期間中にメンバーが向き合ったs**t kingzの原点や、「見ている人たちが、前向きに、ハッピーになってほしい」と考える彼らならではのエンターテインメントについて、メンバーたちの思いを語ってもらった。(編集部)
自粛期間中に改めて向き合った「s**t kingzってなんだろう?」
――新型コロナウイルスの影響で、公演や練習ができないという状況が続いていましたが、自粛期間中s**t kingzのみなさんはどのようにコミュニケーションを取られていましたか。
shoji:Zoomではよく話していたので、あまり会っていなかったという感覚はないかもしれません。自粛期間の中で、Zoomを使った作品や様々なアイデアが生まれたので、ある意味今までになかった形の作品が出来る良い機会になりました。あとは、メンバー同士でも改めて「s**t kingzってなんだろう?」ということについて何度も話し合ったりして、いつもとは違う客観的な視点でs**t kingzについてそれぞれが向きあえた時間になったのではと感じました。
――「s**t kingzってなんだろう?」ということについて、具体的にはどういうことをお話されたんですか。
shoji:「シッキンってなんで一緒に踊っているんだっけ?」みたいな原点についてもみんなで話しました。s**t kingzのエンターテインメントとして、どんなメッセージを届けたいのか、どういう人たちに届いてほしいのか、みんなが考えることを全部言い合って。最終的に「ものすごく自由に、スーパーハッピーにダンスを踊っていたい」というところにたどり着きました(笑)。「とにかく、僕たちのダンスを見ている人が元気になるものをs**t kingzは常に発信していきたいよね」というのをみんなで再確認できた気がします。
――Zoomなどでコミュニケーションを取る中で、普段では気づけないメンバーの一面などありましたか?
kazuki:昨年s**t kingzがプロデュースした絵本『あの扉、気になるけど』の絵も書いていたNOPPOが、この期間に色々なアプリやソフトを駆使して、絵のレベルや表現力をどんどん成長させていく姿を見て「負けてられないな」と思いました。4人でZoomをして顔を合わせる機会はあっても、いつもみたいに1日中いるわけじゃないので、1人の時間がすごく増えたんです。もちろん絵ではNOPPOに敵わないけど、「何か自分にもダンス以外にできることはないかな」と考える良い機会になりました。
NOPPO:踊れない日々が続き、1人でいると「このままだと、やばい。どうなっちゃうんだろう」という感覚に襲われることもあったので、ダンス以外にも何か身に付けないと! と必死でした。
――ダンスの練習や公演ができない中で、みなさんはモチベーションをどう保っていましたか。
Oguri:僕はむしろ、モチベーションに襲われすぎて、常に何かをしていないと不安でした(笑)。1回、思いっきり腰を痛めまして。でも、痛めたことで、動けず、ずっと休んでいないと、ってなったら、すごく気が楽になった(笑)。「こうやって休んでいいんだ」って。その焦りもありつつ、スマホを見る時間が増えた中、常に人が何をしているかが目に入ってきて。みんなの「こういうことやってます」っていう投稿を見て「やべー、みんないろいろやってる」「俺もやらないと」みたいな焦りをすごく感じてしまったことはありましたね。ただ、そんな中でも、自分は自分の時間を過ごさないとな、と5月の頭くらいに感じて。そこから割と、マイペースに過ごせるようにはなりました。
――みなさんオンラインでのワークショップも開催していましたね。ファンの方やダンサーの方たちとの交流はいかがでしたか?
Oguri:ゴールデンウィーク中にそれぞれがオンラインレッスンを開催したんです。今までは少しオンラインレッスンに抵抗があったんですが、普段会えない人たちも国内外のいろんな場所からレッスンに参加してくれて、「こんなにいろんな地域の人たちと一気に繋がれるんだ」というのが自粛期間中の大きな気づきになりました。ステイホーム期間で、インターネット上のつながりに対してポジティブになれたからこそ、その後の配信ライブにつながっていったのだと思います。
「ステージで4人一緒に踊るs**t kingzを見てほしい」
――オンラインレッスンやダンス動画の発信が繋がって開催した『s**t kingz presents NAMA! HO! SHOW! -Live streaming dance show-』が実現に至った経緯を教えてください。
Oguri:秋に開催を予定していた舞台『HELLO ROOMIES!!』が残念ながら延期になってしまったことを受けて、「s**t kingzは今どんなことができるんだろう?」とスタッフさんを含めて何度も話し合いました。その中で、この自粛期間中に発信していたことを活かして、ダンスの楽しさや、s**t kingzならではの面白い表現を映像ならではの方法で届けることができないか?と思いました。オンラインレッスンやYouTubeでの生配信トーク企画『s**t kingzのオンラインオフ会』と、コメントなどでお客さんとコミュニケーションをとるうちに「あ、オンラインでもリアルタイムの感覚は伝わるんだな」と感じたので、s**t kingzのステージも生でライブを見ているように楽しんでもらいたいと考えました。それに、オンラインだったら場所も関係なく世界中の人に届けることができる。そうした話し合いを重ねて、自粛要請が解除になった瞬間に集まって「やろう!」と決まりました。
shoji:やっぱり、みんなうずうずしていたんですよね。「ステージで4人一緒に踊るs**t kingzを見てほしい」って。12年の間一緒に踊っているけれど、それが当たり前じゃないんだと初めて痛感しましたし、僕たち自身が「4人で踊りたい」と自粛期間中にすごく感じていました。なので、その気持ちを爆発させる場所が欲しかったというのも今回配信での開催に至った理由の一つだと思います。
――前半は4分割の画面で4人の体のパーツを合体させて1人の人間を表現するダンスを披露していました。以前Instagramでも公開していましたが、このアイデアはどこから生まれましたか?
NOPPO:自粛期間中に、InstagramやSNSで自粛期間ならではの、面白い動画をたくさん見てました。そこからインスパイアされて、「これで4人で踊れたらすごく面白そう!」「めちゃくちゃ大変そうだけど、一回やってみよう!」となって、Zoomミーティングの時に試してみたら楽しくて。難しかったけど4人で試行錯誤しましたね。
――ステイホーム中のs**t kingzを再現したような映像から始まり、4人が集まって踊りだした瞬間にはとても感動しました。4人で久しぶりに踊っていかがでしたか。
NOPPO:リハーサルのとき、久しぶりにスタジオに入ったんですが、(自分以外の)3人がとってもオーラがあって、テレビの有名人を見た感覚でした。でも、それは僕だけだったみたいで、みんなに聞いても「え、そんなことなかったよ?」みたいな……(笑)。本番は、久しぶりに4人で踊ってめちゃくちゃ嬉しかったです。
Oguri:家でも1人で踊っていましたが、やっぱりどうしても100%を出し切って踊る感覚は家では味わえないので。「気持ちいいー!」と思いました。でも、体力はめちゃくちゃ落ちていたので、初めて通した時は本当に辛かったです(笑)。
kazuki:入り組んだ構成は4人揃わないと表現できないことだし、僕も含めてみんなの作る振りがめちゃくちゃ難しくて……Zoomで伝えられるようなレベルの振付じゃなく、ガチの振りを全員が作ってきたから、みんな散々溜まっていたんだなというのは感じました(笑)。だけど、こんなに必死に振りを覚えるのも久しぶりだなあと思いましたね。体力と同じように、感覚を取り戻すのに、本番までちょっと時間がかかりましたし、多分みんなもそれは感じたよね?
NOPPO:普段、舞台で踊る時には全然焦っている感じがしないkazukiがちょっと焦ってたよね。
kazuki:本当に色々と大変でした。自粛期間にできなかった振付の仕事を緊急事態宣言の解除後にやらせていただけた事もあり、限られた時間の中で『NAMA! HO! SHOW!』の振りを詰め込まなければいけなかったので、久しぶりに1人で深夜まで練習しました! もちろん楽しかったけど、自粛期間とは比べ物にならないくらいのハードスケジュールでしたね(笑)。
――『NAMA! HO! SHOW!』ではカメラワークも印象的で、普段見ることのできない部分や目線を体感できました。配信だからこそ意識したダンスの見せ方やポイントはありますか。
Oguri:ソロなんかは、普段の客席で見ていたら絶対に寄れないところまでカメラが近くに寄って、その近さをお客さんにも感じてもらえるようにしました。カメラチームとは事前に何度か打ち合わせをさせていただきつつ、何度も一緒にリハーサルをするわけにもいかなかったので、マネージャーが必死にカメラを持ちながら走り回って、いろんな角度を試してくれてそれをカメラチームが本番に向けてブラッシュアップしてくれました。s**t kingzのメンバーだけでなく、チーム全員で何がベストかを考えながら模索していきました。メンバー自身が「このカメラアングルがいい」と思ったものを、客観的に見てくれた人が「こういうカメラアングルで見せたほうが面白いんじゃないか」って考えてくれたり、全員の「良いものを届けよう」という思いが混ざり合いまくった配信になりましたね。もちろん、舞台での公演もたくさんのスタッフさんの力を借りていますが、今回はそこにカメラの力が加わって、s**t kingzとして今までとはまた違う見せ方ができて楽しかったです。
kazuki:ライブを生で見ると、お客さんは自由にいろんなところを見れるじゃないですか。ライティングを見ている人もいれば、各メンバーを見ている人もいる。今回のようにカメラがあると、お客さんの目線を縛ることになりますよね。「今ここを見てほしい」という部分を見せることもできるけど、逆に見えない部分もある。なので、「本当は生でみたかったな」と思われないように、工夫はこれからもし続けていきたいと感じています。「本当は生のライブがよかったな」と思われないように、配信だから面白い見え方ができるということに関しては、チームみんながこだわってくれていると感じました。
shoji:逆に生では見れないものをどれだけ盛り込めるかということを大事にしました。お客さんの目の前にステージがあるというのが基本ですが、僕たちが踊っている中に入り込んで、というのは普段絶対に見れない“目線”だと思うので。それを体感してもらいたいな、と思っていました。
――今回、新映像プロジェクトとしてスタートしていた、"浅ドラ"『ぼくらのYeah!!』を公演中も披露していました。
kazuki:あのセクションに関しては、悪ふざけに近いですね(笑)。シッキンが楽しいと思えるアイデアは大体悪ふざけから始まるので、そのまま形になって作りました。「これは面白い」「だったかこんなのは?」なんて言いながらどんどん盛り込みながら、途中で冷静になって、「これはさすがにやりすぎじゃない?」って誰かが突っ込んだり(笑)。でも基本は自分たちが一番楽しんでいます。
Oguri:『ぼくらのYeah!!』で演じた“せが家"は、去年12月のワンマンライブで初登場したキャラクターなのですが、今回の“ステイホーム”があったから「家」や「家族」という設定が活きたというか。お客さんも家で見てくれたり、家族で見てくれたり、世界中が同じ状況であるからこそ、“家族”というテーマに親近感を持っていただけたのではと思います。