“うたちゃん”こと島村嬉唄、新グループで活動復帰 カントリー・ガールズ時代から注目されたアイドルとしてのポテンシャル

覚悟を持って嗣永の“許してにゃん”をオマージュした島村

 3月25日に発売されたカントリー・ガールズのメジャーデビューシングル『愛おしくってごめんね/恋泥棒』に参加したあと、結成からわずか7カ月ほどで島村はグループから卒業した。2015年6月12日に所属事務所の公式サイトで発表された情報によれば、その経緯について「ご家族からは『辞めたい』というお話があった一方で、弊社としましても責任あるマネジメントの範囲を超えていると判断せざるを得ず、今般の途中解約に至った」と明かされている(参照:ハロー!プロジェクト公式サイト)。

 2019年12月26日にカントリー・ガールズが活動休止を迎えるまで、デビュー曲「愛おしくってごめんね」は、コンサートで何度も歌い継がれてきた。そのたびに、島村の存在が脳裏をよぎるファンは、筆者を含めておそらく少なくなかったはずだ。事実上、芸能界を引退した彼女はその後、一般人としてTwitterやInstagramを開設し、友人とのカラオケで「愛おしくってごめんね」を歌う動画をアップしたりと、たびたびファンの心をくすぐっていた。

 そして今年、1月23日にお披露目ライブを開催した新ユニット・きゅるりんってしてみての結成メンバーとして、彼女はふたたびステージへ帰ってきた。

 どれほどの人たちが彼女の復帰に関心を寄せていたのか。それは、1月7日にグループの公式アカウントで発表された時点で、Twitter上で彼女の愛称“うたちゃん”がトレンド入りしていたことからも十分に伝わってきた。

 また、ライブに先駆けて、同月20日に公開されたオリジナル楽曲のMV「可愛さ圧倒的なんばーわん!」では、カントリー・ガールズ時代の恩師であった嗣永の決めポーズ“許してにゃん”をオマージュした歌詞と振り付けに対して、ファンの間では少なからずの賛否両論も入り乱れていた。

きゅるりんってしてみて「可愛さ圧倒的なんばーわん!」MV

 ただ、彼女は1月19日に更新した自身のTwitterで「アイドルとして育ててくれて大切なことを教えてくれた忘れたくない先輩がいます」と嗣永への思いをほのめかし、当時を振り返るかのように「何も恩返しができていないので心残りでした。今回のその方の意志を受け継ぎたいという気持ちでオマージュさせてもらいました(本文ママ)」とつぶやいていた(参照:Twitter)。

 カントリー・ガールズのメンバーだった当時のあどけなさも残しつつ、20歳の女性として、再びアイドルとして生きることを決断した島村。新グループの動向と共に、今後の展開が大いに期待される。

■カネコシュウヘイ
編集者/ライター/デザイナー。アイドルをはじめ、エンタメ分野での取材や原稿執筆を中心に活動。ライブなどの現場が好きで、月に約数万円はアイドルへ主に費やしている。単著に『BABYMETAL 追っかけ日記』。執筆媒体はWeb『ダ・ヴィンチニュース』『クランクイン!』『ウレぴあ総研』、雑誌『日経エンタテインメント!』など。

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