Big Thiefメンバーによるソロ新作、Wilcoやスティーヴィー・ワンダーを歌ったLambchop初のカバー盤……USインディー必聴の5作

Buck Meek『Two Saviors』

Buck Meek
Buck Meek『Two Saviors』

 近年、USインディーシーンで、ますます存在感を発揮するようになってきたBig Thief。バンドのギタリスト、バック・ミークが新ソロアルバムをリリースした。ミークはボーカルのエイドリアン・レンカーと並んで、バンドの主要ソングライターであり、これまでレンカーとのデュオアルバムもリリースしてきた。本作にはトゥエイン名義で活動するマット・デイヴィッドソンや、弟のディラン・ミークが参加。ペダルスティールやフィドル、オルガンを加えたバンドサウンドを中心に、ルーツ色が強いサウンドを披露している。なかでも、カントリー色が濃厚だが、メロディは多彩でサウンドはふんわり柔らか。そして、ファルセットを織り交ぜたヒルビリー風のボーカルは、飄々としたなかに優しさが滲んでいる。焚き火のように聴く者をじんわりと温めてくれる音楽だ。

Buck Meek – Candle (Official Video)

Flanafi『Flanafi』

Flanafi
Flanafi『Flanafi』

 フィラデルフィアのデュオ、パラガスのメンバー、サイモン・マルティネスによるソロユニット。本作は1stアルバムで、すべての楽器をサイモンが一人で多重録音している。宅録風のサウンドだが、J・ディラを思わせる密室的なブレイクビートに、サイモンが弾くアクロバティックなギターが絡む。パラガスでも変拍子のビートとギターの複雑な掛け合いが軸になっていたが、ジャズやプログレからの影響を感じさせるパラガスに対して、こちらはヒップホップやファンクからの影響が色濃いのが特徴だ。曲の構造は変態的だが、そこに心地よいグルーヴやメロディを挟み込み、甘く囁くように歌うことでメロウサイケとも言えるような、奇妙な世界を生み出している。R&B由来の先鋭的なビートを異質なものとして捉え、アバンギャルドな感性で再構築したようなアプローチが独創的で面白い。

Flanafi – Inner Urge

Darci Phenix『Wishbone』

Darci Phenix
Darci Phenix『Wishbone』

 ジャケットに惹かれて聴いた、ポートランドの女性シンガーソングライター。ダルシ・フェニックスはこれまで自主制作でアルバムを1枚発表しているが、本作は<Team Love>からのリリースで、これがオフィシャルなデビューアルバムらしい。ジャケットの絵を手掛けたのは日本人の画家、網代幸介で、最初はアーティスト本人が描いたのかなと思ったほど、アルバムのガーリーな世界を見事に表現している。ストリングスも織り交ぜたアコースティックでフォーキーなサウンド。そこにインディポップの色彩もほんのり加えて、メロディは繊細で愛らしい。そして、花を摘みながら鼻歌を歌っているような自然体の歌声も魅力的。子守唄のように優しくイノセントな歌が、この辛い浮世を忘れさせてくれる。

Darci Phenix – Hospitality

インタビュー

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