w-inds. 橘慶太×Hiroki対談【前編】 歌からサウンドへ、“全部できるようになりたい”気持ちが運んだトラックメイクへの道

w-inds. 橘慶太×Hiroki対談

Hirokiが海外での経験から得た“切り替え力”

橘:基本的に僕の仲のいい人は、みんなマニアックなオタクだからな(笑)。Hirokiはトラックメイカーで仲がいい人はいるの?

Hiroki:普段そんなに仲良くはならないんですけど、KENJI03くんは仲いいですよ。

橘:最近はKENJI03くんと白濱亜嵐(EXILE/GENERATIONS from EXILE TRIBE)くんと3人でしょっちゅう作っている感じ?

Hiroki:KENJI03くんと一緒にやるのはEXILE SHOKICHI(EXLIE/EXILE THE SECOND)さんと一緒にコライトする時ですね(KENJI03はHi-yunK(BACK-ON)名義で制作に参加)。基本的にはGENERATIONSの楽曲で亜嵐くんと僕が一緒に作業することが多いです。あとはFANTASTICS from EXILE TRIBEのライブ音源も作ったり。

GENERATIONS from EXILE TRIBE / Lonely (Lyric Video)

橘:ライブ音源というのは?

Hiroki:ダンスパートがない既存の曲にダンスパートを付けたりする作業ですね。

橘:なるほど。そもそもHirokiが本格的に活動するようになったきっかけはAfrojackのリミックスコンテストだったんだよね。

Hiroki:『Global Remix Battle I』という世界コンテストで入賞してLDH EUROPEに1年間所属していました。その時に亜嵐くんとも仲良くなって。Afrojackとオランダに行ったり、ドバイに行ったりしてましたね。

橘:ずっと海外にいたもんね。

Hiroki:でも、やっぱり日本が最高なんですよ。東京の便利さに慣れているのと、人の感じとか文化も全く違うので。英語があまりわからないということもあって、コミュニケーションがなかなかうまく取れずにどんどん孤立した気分になってしまって。

橘:そうなってくると、曲もできなくなってくる?

Hiroki:全然ダメでしたね。日本人は謙虚だから、自分的に好みじゃなくても気を遣った言い方をしてくれるじゃないですか。そういうのがない環境にずっといたから結構辛かったです。あと、海外の人は自分の国の音楽が一番だと思っているところがあって。例えばオランダだったら、4つ打ちのハウス。僕はその時はダブステップをやっていたので、あんまりわかってもらえなかった。

橘:ダブステップはダメなんだ?

Hiroki:ダメって人のほうが多いかな。だって80歳くらいのおばあちゃんが、車でハウスをガンガン聴いてるんですよ(笑)。おじいちゃんのタクシーに乗っても大音量でハウスをかけながら運転しているし。でも、たぶんハウスが日本でいう演歌なんですよね。染みついちゃってるんですよ。

橘:なるほど! それは羨ましいけどね。

Hiroki:すごいでしょ(笑)? でも帰ってくると、それはそれで良かったんじゃないかなとも思いますね。海外で経験したことは今に生きてるんだろうなと。作った曲に関して何か言われても全然気にしなくなりましたし。前はちょっと言われたら、ショックだったんですけど。「ここはこうじゃない?」とか「これ要らないんじゃない?」って言われても、全然今なら「おっけー、じゃあなくすか」と切り替えられるようになりました。そういえば、オランダに滞在していた時、一番大きいセッションスタジオに行ったんですよ。そこにでっかい黒人の人がいて「w-inds.の曲、俺やったよ」って言ってました。

橘:はははは(笑)! マジで!?

Hiroki:すごくないですか(笑)? しかも、ちょうどその時KTとLINEしてたんですよ。すごいところで繋がるなって。

橘:その時に言ってよ(笑)!

Hiroki:いや、なんの曲かは聞けなかったから。ちゃんと聞けばよかったな。でもw-inds.って海外の作家のトラックを結構使って来ましたよね?

橘:昔から使ってるね。海外作家のトラックを使い出したのは2002年(シングル『Because of you』収録「close to you」)からだから、日本でいうとかなり早かったと思う。「やっぱり海外のトラックかっこいいな」って。

「close to you」

Hiroki:ですよね。僕も最近w-inds.の曲をさかのぼって聴いてみたんですよ。かっこいいなと思っていた曲はビートもちゃんと立っていて、クレジットを見ると海外の人なんですよね。そういうところはやっぱりさすがだなと思います。

後編へ続く)

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・【第3回】Yaffle(小島裕規)
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