堀内まり菜に聞く、さくら学院卒業後に選んだ“声優”としての現在「大きなところを目指すならより覚悟も必要」

堀内まり菜が語る、声優としての現在

 諏訪ななか、Machico、木戸衣吹ら人気声優〜若手まで、多数の女性声優がメンバーとして参加する音楽バトルプロジェクト『IDOL舞SHOW』。同プロジェクトは、アニメ音楽シーンの第一線で活躍する音楽プロデューサー・斎藤滋、冨田明宏、木皿陽平の3名が、NO PRINCESS、三日月眼、X−UCという3ユニットをそれぞれプロデュースし、「天下旗争奪バトルロイヤル」と名付けられたレースで競い合う。

 リアルサウンドでは、『IDOL舞SHOW』の各ユニットに参加する新鋭声優を3名ピックアップ。その第2弾として、2014年に声優活動をスタートした堀内まり菜(NO PRINCESS/明瀬亜美役)へインタビュー。芸能界デビューからさくら学院での活動を経て声優へと転身したキャリアをはじめ、キャラクターを演じることの難しさややりがい、そして『IDOL舞SHOW』の一員としての展望を聞いた(編集部)【最終ページに読者プレゼント有り】

「私もきらりちゃんみたいに踊りたい!」

堀内まり菜
堀内まり菜

ーー堀内さんが芸能界に入られたのは2007年、『ちゃおガール2007オーディション』に入賞したことがきっかけ。もともとこういう世界に憧れを持っていたんですか?

堀内まり菜(以下、堀内):当時『ちゃお』で流行っていた『きらりん☆レボリューション』という漫画があって、その作品のアニメで主人公・月島きらりちゃん役を演じていた久住小春さんに憧れていたんですけど、「どうせ私には無理だろうな」と思っていて(笑)。私には女の子らしい格好が似合わないだろうなと思いつつも、でもやってみたいという気持ちもあったんです。それで、歌とか楽器やチアダンスを習ったりしながら、オーディションも受けて、審査が進んでいくうちに「目指してみようかな?」と思うようになりました。

ーーでは、オーディションで手応えを得たことで現実的に思えたと。

堀内:そうですね。オーディションの最終審査には歌とダンスの審査があって、それが当時やりたかったことであり、「私もきらりちゃんみたいに踊りたい!」と思った場所だったので、それが「ステージって楽しいんだな」と思ったきっかけでしたね。モーニング娘。さんとか可憐Girl'sさんが当時からすごく好きでしたし、私もステージで歌って踊って、お客さんに楽しんでもらいたいという思いを抱き始めたのがその頃でした。

ーーそれが、2010年にさくら学院の一員として実現するわけですね。実は僕、さくら学院の初ステージとなった2010年の『TOKYO IDOL FESTIVAL』を観ていまして。

堀内:ええっ、本当ですか? そんなめぐり合わせが(笑)。あのときはまだ小学6年生だったので、単純に「ステージを頑張らなくちゃ!」と思っていたのと同時に、周りに好きなアイドルさんがたくさんいらして、いちファンとしてすごくワクワクしていましたね(笑)。

ーー当時はどんなことを考えながら活動していましたか?

堀内:正直、レッスンを受けたりリハーサルをしたりするのが本当にしんどくて、生半可な気持ちではできないんだと知りました。体力も全然なかったし、本番前日になると熱を出しちゃったり(苦笑)、覚悟じゃないけど甘い気持ちじゃやってられないんだなというのを痛感していました。でも、振り付けのMIKIKO先生がすごく厳しく育ててくださったので、毎回すごく緊張しながらも今までできなかったことが自分の中で掴めた瞬間は、「これがアイドルなのかな?」と強く思えるようにもなりました。

ーー最初にそのきっかけを掴めたのは、いつ頃だったか覚えていますか?

堀内:肩の力が抜けたじゃないけど、ステージに立つことが本当に楽しいと感じられたのは中学1年生ぐらいのときに、池袋の(サンシャインシティ)噴水広場でリリースイベントをやったときです。噴水広場も当時から憧れの場所だったのもあるんですけど、イベントをやったときにすごく景色が広がったというか。それまでは自分にできることをやって見てもらってという感じだったんですけど、あのときはお客さんの目をちゃんと見ることができて、気持ちの交換ができたなという実感が得られたんです。

ーーちなみにアイドルとして頑張っていた頃、モチベーションになっていたものは?

堀内:ライブを観ることですね。それこそアイドルさんのライブだったり、テーマパークのショーだったりを観るのが好きで、いつも息抜きとして観に行ってパワーをもらっていました。あとは、ひたすら好きな曲を聴いて「音楽が好きだな」と思う時間を作ることも、モチベーションにつながっていました。特にPerfumeさんの曲には何度も助けられました。レッスンでめちゃめちゃ怒られた日の夜は、ひとりで電車の窓を見ながら「Dream Fighter」という曲を聴いて、パワーをもらっていました。

「この無限に広がるアニメの世界で表現をしたい!」

ーーそんな堀内さんが声優という新たな目標をみつけたのは、いつ頃でしたか?

堀内:中学2年生ぐらいのときにさくら学院のマネージャーさんが、私にアニソンがたくさん入ったCDをくださって。そこに入っていた、水樹奈々さんの「You have a dream」という曲を耳にした瞬間、今までに感じたことのない輝きを感じたんです。それで「水樹奈々さんってどんな方なんだろう?」って気になって調べたら、声優をされている方なんだと知って。私、今までアニメをちゃんと観てこなかったから、「何かいいアニメあるかな?」と思っていろいろ観ていたら『魔法少女まどか☆マギカ』という作品に出会ったんです。いろいろ調べてみるとアニメの世界観を演技や音楽を通じてステージで表現できることもわかって。知れば知るほど、「私はさくら学院を卒業したら、この無限に広がるアニメの世界で表現をしたい!」と思うようになりました。

ーー声優になるためには、いろんな訓練も必要になりますよね。

堀内:私は今まで体を使って表現していたぶん、声のお芝居は全然ダメダメで。なので、とにかく自分のセリフを録音して聴いて、それを繰り返していました。あとは、『まどマギ』とか好きなアニメのセリフを文字起こしして、声優さんのモノマネから入って、映像に合わせて読み上げたり。そのほかに先生に見ていただくなど、たくさん訓練をしました。

ーーアニメが好きだからこその練習方法ですね。

堀内:はい(笑)。でも、いろんなアフレコ現場へ行くと、声優さんってやっぱりすごいなと実感させられます。私は自分で練習していると、どうしても力んでしまったりするんですけど、先輩方は息だけで感情を表現できていたりして、本当に職人のようで。そういう点では、まだまだ日々勉強中ですね。

ーーと同時に、これまでアイドルとして経験したことや、ご自身が好きなショーを楽しませるという姿勢は、声優としての活動にもつながっていくわけですよね。

堀内:そうなんです。別に垣根を超えてということもなく、最初から全部つながっていたんだというのは感じていて。だから、『ドルショウ』(『IDOL舞SHOW』)での活動もすごく楽しくやらせてもらっています。

ーーその『IDOL舞SHOW』で、アイドルとして経験してきたことが演技に活きることになるとは、思ってもみなかったですよね。

堀内:いやあ、本当に。さくら学院の頃は堀内まり菜としてアイドルを表現していたけど、ドルショウで明瀬亜美ちゃんとしてステージに立てるというのは、また違う楽しさがあって。ライブの表現もすごく無限だなと思います。

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