『’99 PEACHY』インタビュー
悲しみと愛と人間関係……uyuniが語る、自身を形成するいくつもの要素 アルバム『’99 PEACHY』が完成するまで
「私は死ぬまで100%になれなくて絶対99%止まりだと思ってるんです」
ーーそもそもuyuniというMCネームは、どんな思いから名付けたんですか?
uyuni:ボリビアのウユニ塩湖です。ウユニ塩湖はすごく透き通ってるから、YUIさんの歌声を抽象的に表してるんです。透明感があって芯があって太いっていう。あとはuyuniという綴りの中に「Y」「U」「I」という文字が入ってるから、これにしたんです。
ーーそれくらいYUIさんが好きなんですね。
uyuni:いつ聴いても良いと思います。
ーーuyuniさんはウィスパーボイスが多めですが、それもYUIさんの影響ですか?
uyuni:そうですね、YUIさんの透き通った感じを自分で出すにはウィスパーっぽくしないと出ないというか。YUIさんに声が似てるわけじゃないんですけど、YUIさんみたいな声になりたいなと思って、発声していたら、こうなりました(笑)。でも、声は曲調とテーマによって変えています。ウィスパーもひとつの武器として使い分けていければ、っていう感じ。逆にかっこいいエッジーな声が出せないから、聞いている人に印象づけるには、ウィスパー方面でいくしかないなって思ったんです。
ーー今回の1stアルバム『’99 PEACHY』はどのような作品をめざしたんですか?
uyuni:今回は人間関係と自分であることをテーマにしました。なので、基本的に自分が経験したことをベースにして作っています。
ーー『’99 PEACHY』というタイトルは、どういう思いから?
uyuni:私が1999年生まれっていうのと、髪の毛がピンク色っていうのが表面的な理由で、裏には私が常に持ってる考えがあるんです。私は死ぬまで100%になれなくて絶対99%止まりだと思ってるんです。でも、その99%が自分の中では一番素晴らしい状態であって。で、PEACHYには“素晴らしい”という意味があるんです。なので、99%の今の完全な自分、いちばん素晴らしい自分を閉じ込めたアルバムです、っていうのを表してるタイトルなんです。
ーー99だと1足りないけど?
uyuni:1足りないのは死ぬまで自分の人生が完成じゃないからです。
ーー亡くなったときに最後の1が加わると。
uyuni:そう。そこで後悔するかどうか。後悔しないようにしようっていう。
ーーその考えは誰かに教わったものなんですか?
uyuni:これは誰かに左右されたことじゃなくて。小さい頃からよく、「なんで私、ここにいて、これをしてるんだろう」ってハッとすることが多かったんです。私はよく曲の中で“天国に行きたい”みたいなことを書くんですけど、それは後悔しないように生きたいっていう思いからで。そこから今の自分が完全体になることは無理じゃないかって考えるようになったんです。それは諦めじゃなくて期待という意味で。
ーー最後の1を求める前向きさ。希望を残しているっていうこと。
uyuni:そう。希望を残している99%っていうこと。何で生きてるんだろう? って考えたときに、それを思い起こすと頑張ろうって思えるんです。まだ1あるじゃん、やってないことがあるじゃんって。
ーーいつ頃から、そう考えるようになったんですか?
uyuni:小学生くらいのときから、ふと、そういうようなことを思う場面があって。それを自覚したというか、意識的に考えるようになったのは高校生くらい。物事を考えていくと空間がゆがむ感じがするんです。目の前がウィーンって。それを自覚したのが高校生くらいでした。