悲しみと愛と人間関係……uyuniが語る、自身を形成するいくつもの要素 アルバム『’99 PEACHY』が完成するまで

uyuniを形成するいくつもの要素

「『Blueberry Gum』は“家族への憧れ”がテーマ」

ーー今回のアルバムには多様なサウンドが並んでいますが、どんなところにポイントを置いていましたか?

uyuni:今回は私がバンドを組んでいた過去を表したくて、あえてギターを多めにしました。あと、客演が入ってる曲は、私の要素もありつつ、その方たちの普段の要素もありつつ、ちょっと違ったものを作りたいっていうことを意識してビートを作りました。

ーーフィーチャリングゲストはどのような考えから人選したんですか?

uyuni:元々仲が良いアーティストです。客演は3人いるんですけど、そのうちのSaint Vegaさんと堂村(璃羽)さんは、これまでにもたくさん曲をやっているし、音楽仲間としても信頼して尊敬しているので、アルバムを作る前から絶対呼ぼうと思ってました。

ーーもうひとりのLe Makeupさんは?

uyuni:Le Makeupさんは歌詞が詩的というか、リリカルというか。私が書く歌詞は抽象的な言葉が多くて、リスナーさんに小説を読んでるような感覚になるって言われるんです。それと同じような感じの人を探していて見つけたのがLe Makeupさん。彼も自分でトラックを作る方なので、一緒にやったら「ここはこうした方が面白いんじゃないですか?」とか、お互いに意見を出し合いながら作れるかなと思ったところもあります。

ーーアルバム制作で、特にこだわった部分は? 

uyuni:アルバムの出だしとして1曲目の「intro」にめっちゃこだわりました。イントロが鳴り出した時点でうわっと来る感じにしたくて。途中で聞こえる赤ちゃんの声は私の小さいときの声なんです。正直、アルバムの中でイントロがいちばん時間かかってます。

ーー去年5月にリリースした初のシングルで、MVも作られている「Blueberry Gum」は、どのような思いから作られたんですか?

uyuni:この曲は私の家族への憧れをテーマにしていて、実話に基づいた歌詞です。私が小学生のときに親がケンカをよくしていて離婚しそうな感じで。学校に親が離婚している友達がいたので、その子に「私の家も離婚しそうなんだよね」って話をしたら「同じだね、お揃いだね」みたいなことを言われてブルーベリーガムをもらったんです。

ーーそのガムは嬉しかった?

uyuni:最初は「何だ、この子?」って思いました(笑)。あれは何だったんだろう? って、そのときのことを急に思い出して書きました。

ーー当時は淋しい思いをしていたんですか?

uyuni:夜、よく泣いてました。離婚したことを思い出して。母親と暮らしてたんですけど、働いているからあまり家にいなかったし、弟と二人で家にいて。だから、リリックの2番で、〈僕らの願い〉と複数形にしたのは、弟と私っていう意味なんです。家族は元に戻れないから変換して前に向いていくしかないっていう気持ち。自分の中では過去の供養みたいな曲です。

ーートラックはどんなイメージで作ったんですか?

uyuni:これは私が自分ですべてのビートを作って、自分で歌った、初めての曲なんです。作ったのは、SALUさんの「RAP GAME」のリミックスを発表したあと。RAP GAMEのリミックスは、友達のItaqくんっていうラッパーが先に出していて、「uyuniちゃんのも聴いてみたいからやってよ」って言われて作りました。そしたら誉めてくれるコメントもいっぱい来たんですけど、アンチコメントもいっぱい来て。

ーー良かれ悪しかれ反響があった。

uyuni:そう。でも、そこまで自分の曲に賛否両論つけられたのは初めてだったんです。だから、次に出す作品で自分の世界観を作ろうと思って、気合いを入れました。今となっては曲への向き合い方が変わった瞬間でした。それで完成したのが「Blueberry Gum」なんです。

ーーアルバムから先行してMVを発表した「MUSTARD」は、どのような思いから書いた曲ですか?

uyuni:これはバンド時代の供養です(笑)。当時、メンバーにボロクソ言われてたから。私は今も当時と同じギターを使っているから、私はこのギターの音と共に違うところで音楽を頑張ってるよっていうことなんです。タイトルの「MUSTARD」は私のギターの色のことで、〈隠し味のMUSTARD 導いてくれよ滑走路〉っていうリリックは、新しい道に進んでるっていうことと、今はDTMでいろんな音を作れるようになったから、ギターを隠し味程度にしてるっていう意味を込めました。

ーーでも、この曲はギターサウンドがメインになっています。

uyuni:そう。ギターを弾いてトラックを作って歌うっていうスタイルの子は周りにあまりいないので、ギターが弾けることは強みにしていこうと。この曲を作ってから思いましたね。

uyuniの画像4

ーー普段、楽曲はどんなタイミングでどういうふうに作ることが多いですか?

uyuni:日常の生活でパッと頭に浮かんだメロディや言葉はメモったりボイスメモで録ってるんですけど、それを何か思い立ったときに聞き返したり、見返したりして、曲の土台にすることが多いです。

ーートラック先行ですか? メロディ先行ですか?

uyuni:どういう曲にしようかなっていうテーマだけ先に決めて、メロディとトラックは大体同時に作ってます。

ーートラックを作ってからメロディを乗せるという順番じゃないんですね。

uyuni:あとから自分で歌ってみてメロディを変える場合はありますけど、基本同時ですね。歌詞は最後です。

ーー歌詞の一人称はすべて〈僕〉ですが、その理由は?

uyuni:男の人も女の人にも当てはまりやすいかなっていうのが理由です。曲を作り始めた当初から「僕」を使ってて、「私」は使ったことがないです。日常生活で自分のことは「私」だから、歌詞の中だけで使ってる言葉ではありますが。

ーーuyuniさんは多様な音楽性が魅力ですが、自分の世界観を形成しているんじゃないかと思う要素を3つ挙げてみてください。

uyuni:悲しみと愛と人間関係……かな。人間関係って絶対どこにでも付いてくるから、そこからは離れられないと思うんです。

ーー愛というのは?

uyuni:高校生のときに習っていたピアノの先生に「恋をすると曲が作れる」って言われたんです(笑)。そのときに「そうかもしれん」と思って(笑)。

ーーじゃあ、愛というより恋かも?

uyuni:そうかも。確かに恋愛してるときのほうがいろんな感情が沸いてくるし、曲が作れる。自分も相手に影響されて形成されていく感じというか、成長していく感じがするんですよね(笑)。

uyuni 『’99 PEACHY』
uyuni 『’99 PEACHY』

■リリース情報
uyuni『’99 PEACHY』
12月23日(水)
Label:ROMANTIC°
<収録曲>
01.Intro
02 anone (prod. Maybe Juice)
03.MUSTARD
04.711071
05.sparking romance (prod. Gnyonpix × uyuni)
06.After hours (prod. Pure 100%)
07.swimmer feat. Le Makeup
08.Blueberry Gum
09.stay alive feat. Saint Vega
10.Skit
11.whisper (prod. ANIMAL HACK)
12.Mellow feat. 堂村璃羽
13.Sleeping Sheep – Kazui_Datura Remix

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