アンジュルム、船木結への愛が充満した日本武道館 卒業コンサートから感じたメンバーの思い

アンジュルム、船木結卒コンレポ

 ソーシャルディスタンスを考慮した、触れることのできないパフォーマンスに感じるもどかしさと切なさ。しかし、好きだと言われたら好きと送り返すような愛が充満したステージは、船木らしいものだったと思う。船木を最高の形で見送りたい。そんなメンバーの思いは、パフォーマンスからも伝わった。特に、橋迫鈴や伊勢鈴蘭、笠原桃奈、川村文乃など後輩メンバーの頼もしさが加速。たった1年で、多くの先輩メンバーが卒業し、彼女たちは大人にならざるを得なかったのかもしれない。それでも、その先のグループの未来もイメージして責任を受け止め、自分なりの努力を重ねた姿はアンジュルムの眩しい未来を象徴しているようだった。そんな中、11月に加入したばかりの新メンバー3名もステージに上がり、スマイレージ時代の名曲「学級委員長」や「寒いね。」を披露。真っ白なワンピースに身を包んだ3人のパフォーマンスは三者三様で、これからも目を離せないと感じた。また、リーダーである竹内朱莉の安定したパフォーマンスと誰よりも泣いてしまう優しさ、そのバランスが新しいアンジュルムの魅力を引き出しているようにも思った。「友よ」の途中で中心に立ち、メンバー全員を見渡して〈ありがとう 出会ってくれたこと〉と歌う姿は素晴らしい瞬間だった。佐々木、上國料の存在も竹内を両脇で支えていた。

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 彼女たちしか知らない苦労があって、喜びがある。船木は手紙で「何気ない日常の中にあまりにも思い出が溢れています。常に“大好き”という言葉があって、そんな空間が温かくて、とても心地よかった」と読んだ。共に紡いできた物語も含めて、「アンジュルムが大好きです」という言葉のあたたかさと重みを端々に感じるステージだった。メンバーから船木へのメッセージにもあったように、船木はふざけることもやる時はしっかりやれる、頼もしい存在だったのだと思う。大きな存在を失った寂しさを思いながら、同期である川村の言葉を借りるならば「これからは自分のために夢を叶えてほしい」。可愛くもなれるし、カッコよくもなれる。すべてが船木結であって、どんな選択も正解にできる強さを持っているだろう。胸に抱いている小さな夢や大きな夢、自分なりの歩幅で叶えていく姿をこれからも見守りたい。

■羽佐田瑶子
ライター。映画会社、訪日外国人向け媒体などを経て、現在はフリーのライター、編集。関心事はガールズカルチャー全般。主な執筆媒体はQuick Japan、She is、テレビブロス、CINRA.NETなど。Twitter

アンジュルム公式HP

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