Black Boboi、レコード作品から辿る音楽ルーツ アンネ・ミュラー、OPN、AURORAらに受けた影響
ermhoi「AURORAのこのアルバムは、空間の広さとか温度感とかは近いのかも」
ーーさてBlack Boboiとして楽曲制作する上で指針にしているアーティストということで、AURORA『Infections Of A Different Kind – Step 1』の名前が上がってきました。
Julia:3人が共通で揃うものっていうのがこれぐらいでした(笑)
Utena:バラバラですね。もちろん被ることもあるんですけど、普段聴いているものを共有するとかも特にしてないので。たまにYouTube動画を送るとかはあったとしても。
Julia:AURORAはスタジオで去年みんなで一回Massive Attackのアレを聴いたじゃん。
ermhoi:聴いたね。AURORAがBBCかどこかのチャンネルでMassive Attackの「Teardrop」をカバーしてる映像があって。
ermhoi:それを二人が気に入って聴いていて、私は当時あんまりAURORAを知らなかったんですけど。すっごい素敵で。それを機に聴くようになって。
Julia:今回はAURORAかMassive Attackかって考えたけど、結局AURORAの方が3人とも共通して聴いたんじゃないかっていうことでこっちを選びました。
ーーAURORAのアルバムを意識しながら今回のアルバムを作ったところもあるんですか。
Utena:いや、全然意識してないですね。
Julia:全く関係ないです。
Utena:今回の『SLIK』で何かを意識したっていうのは全くないんだよね。
ermhoi:今日AURORAのこのアルバムを聴いてたんですけど、空間の広さとか温度感とかは近いのかもしれません。全然テンションも違えば音の重ね方も違うんですけど、近いといえば広さのイメージとかかなっていう感じはしますね。
ーー立体的な感じとか、ひんやりしたクールな感じとか女性ボーカルの声の質感のイメージもありますけど、確かに似てると言えば似てるし。AURORAの方が比べるとポップな感じがしますよね。
Utena:普段3人がそれぞれ聴いてる音楽から『SILK』を作ったというよりも、普段触れてる映画とかアニメとかいろいろなカルチャーが『SILK』には入ってると思うから、これ一つで『SILK』を作る指針になりました! みたいなものはないですね。
ーー言ってみれば、自分が生まれてから今日に至るまでのありとあらゆるものに影響されていて、それがアルバムに反映されているっていうこと。
Utena:それが×3なので。
Julia:なかなかね、共通のっていうのは難しい。
Utena:逆にそれが面白いのかなとも思いますよね。ここまで同じアーティストを聴いていないというか、情報交換もしないし(笑)
ーー最近こういうの聴いてるんだけど、みたいな話をメンバー同士でするとか。
Utena:それ、男の子のカルチャーだと思う!
ーーええっ、そうなんですか?(笑)
Utena:あれは結構男子カルチャーで、女子カルチャーは音楽の話というよりは、肌の話とか全然関係ない話の方が多いです。でもそれが女子の良いところで。全然関係ないところで、繋がれるっていうのが良いところだなと思いますね。
ermhoi:今日もギリギリインタビューに被るぐらいまで、髪の色の話してたし。
Julia:確かにね、音楽の話はしないですね。
ーー逆に言ったら3人で音楽の話をするのは、こういう取材のときぐらいだったりするんですか?
Utena:マジでそうかもしれない。
Julia:取材のときだけです。
Utena:感動したことがあってもそんなに伝え合わないんですよね。私なんか本当に言わないかもしれない。たまにhoiちゃん(ermhoi)が何か送ってくれたりするくらい。
ermhoi:この間モーゼス・サムニーのライブ動画を見たんです。私たちは今ライブができないので、配信ライブをやるとしても特別なものをやりたいっていう思いが強くて。そう考えたときに、そのモーゼス・サムニーのライブがまさにすごかったので。ちょっとトんでるように感じるぐらい。そういうライブだったので、それは共有しましたね。
Utena:今度から音楽の話をちゃんとしてみて、一年でも半年でも続けてみたらどういう音楽性の変化が生まれるのかっていうのはちょっとやってみたい。
ermhoi:やろうやろう。多分一週間ぐらいで終わっちゃうけど。
Utena:三カ月は続けよう。
Julia:集まったら10分喋るとかね。
Utena:基本、私事の話禁止みたいなね。スタジオの時間は音楽のことに集中みたいな。それは結構やりたいかも。スタジオ入れるようになったら、その曲のことだけ考える! っていう。
ーーこの取材がきっかけになったみたいで良かったです(笑)。
Julia:自分たちでこういう話しないじゃん。面白いよね。
Utena:そうでもしないと自分たちの姿が見えないっていうのは恐ろしいよね(笑)。