DOBERMAN INFINITY メンバー分析【入門編】Vol.2:GS
DOBERMAN INFINITY GS、厚いフロウでグループ導く“頼れる最年長” 「ALL ROUND HIP HOP」体現するD.Iのまとめ役に
最新シングル曲「6 -Six-」の歌詞に〈鍵っ子〉というワードを入れたように、自分のバースには必ずオリジナリティのあるワードを入れるのがこだわりだというGSのラップは、厚みのある声質とアタック強めのフロウが特徴的。“ALL ROUND HIP HOP”をテーマに掲げるDOBERMAN INFINITYにおいて、先陣を切って“ヒップホップ初心者にも聴きとりやすいラップ”を行っている存在と言えるだろう。以前はそこまで意識していなかったが、昨年リリースしたシングル『We are the one/ずっと』からは、ラップ曲とメッセージ性のある歌モノでアプローチを変えるようになったそうで、『6 -Six-』のインタビューでも「ラップ曲は人に歌ってもらうことを一切意識しないんですけど、カラオケでみんなに歌ってもらえる曲になるといいなって思う場合は、みんなが歌いたくなるようなメロディを考えるんです」(引用:DOBERMAN INFINITYが「6 -Six-」で綴った“かけがえない仲間への感謝” 「みんながいてくれるから自分らしくいられる」)と語っている。
リーダーのKUBO-Cも、GSの曲作りに対する姿勢を「僕とかは固執して走りがちですけど、『こうした方が聞き取りやすい』とか『一般の人にわかりやすい』とか、そうやって全体を広い目で見られる」(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)と称賛。その結果、ヒップホップカルチャーを知らない人でも入りやすい音楽性で、多くのファンに愛されるグループへと進化を遂げた。昨年実現した初のアリーナツアー『DOBERMAN INFINITY LIVE TOUR 2019 5IVE ~必ず会おうこの約束の場所で~』が、それを証明している。2018年のインタビューで、夢を叶えようとしている人へのアドバイスとして「客観性を持って自分を見ること」を挙げ、「自分に足りない部分も分かるし受け入れられると思うんです。そうすればおのずと自分を100にする方法も見えてくると思います」(引用:TOKYO HEADLINE)と語っていたGSだが、自らもその方法で夢を掴んでいるようだ。
そんなGSのキャラクターは、DOBERMAN INFINITYのまとめ役。ライブのMCでは、ふざけがちなメンバーをフォローしながら進行する立ち位置で、インタビューでも長文で丁寧に返答する姿から真面目な性格が窺える。その一方で、メンバー曰く「言っちゃいけないことを言う確率もGSさんがいちばん高い(笑)」(SWAY)、「情報解禁してないことを言う。だいたいいつも生放送で下ネタを言いがち(笑)」(KUBO-C)(引用:DOBERMAN INFINITYが語る、“5人で歩んできた5年間”の絆「誰ひとり欠けていたくない」)なのもGSだそうで、天然キャラが大渋滞しているLDHにおいても、上位に入るほどの天然キャラとして知られている。おちゃめな最年長である。
自分やグループを客観的に捉えられる性格で、音楽面でもトーク面でもバランサーのような役割を担うGS。もちろん、日本語ラップブームの最中にデビューし、長年メジャーシーンで活動してきたラッパーとしてのプライドは変わらずにある。それでも、グループの輝く未来のため、ひいては愛するヒップホップのために覚悟を決めたGSの想いが、DOBERMAN INFINITYを夢の舞台に連れていく。
■斉藤碧
エンタメ系ライター。
ダンス&ヴォーカルグループ、アイドル、ロック、ヴィジュアル系、俳優などジャンルレスで執筆中。V系雑誌「Stuppy」では編集も担当。
Twitter:@stmdr38