DOBERMAN INFINITYが歌う、温かい日常や仲間との絆 「6 -Six-」に凝縮された結成“6”年迎えたグループの歩みとこれから

DOBERMAN INFINITY『6 -Six-』

 12月2日、DOBERMAN INFINITY 10枚目のシングル『6 -Six-』がリリースされた。表題曲「6 -Six-」は、映画『HiGH&LOW THE WORST』のスピンオフ作品として日本テレビで放送中のドラマ『6 from HiGH & LOW THE WORST』の挿入歌。映画に登場した幼馴染6人のその後を描いた物語に色を添える同曲は、感情以上の“感覚”で繋がれる仲間との心温まるような関係性や、その大切さを歌った作品となっている。

 過去にも「Do Or Die」「JUMP AROUND∞」「まだ足りねぇ」など数々の楽曲を『HiGH & LOW』シリーズへ提供してきたDOBERMAN INFINITY。タフな精神性が感じられる歌とアッパーなサウンドは『HiGH & LOW』の世界観と親和性が高く、そのストーリーやキャラクター性の魅力を強く印象付けることに成功してきた。そんな彼らが今回新たに『6 from HiGH & LOW THE WORST』のために書き下ろした「6 -Six-」は、幼馴染6人の揺れ動く日常と彼らの絆を描いた物語にしっかりと歩幅を合わせ、かつてないほど繊細な“自己と向き合う”楽曲に仕上がっている。彼ららしいぶっきらぼうな語り口で“なんとなく、ずっと一緒にいる”“なんとなく、思いが通じ合っている”ーーそんな関係性にある“なんとなく”の感覚を丁寧に紐解きながら、それらが自分に与えるものの大きさをじっくりと確かめる歌詞。〈今も遊びの延⻑戦のような点と点を結ぶ線の上/ビビってねぇし 逃げねぇよ当然な/お前らの荷物背負ってんだ〉という部分には、地元の仲間の想いを背負って上京し、DOBERMAN INFINITYとなった彼らのバックボーンも感じさせる。アコースティックの音色がメインのサウンドは一定して穏やかで、途中で時の流れを感じさせるように加わる“時計の針の音”も含め、アナログ的な温かい聴き心地。力強いフロウが特徴的なラッパー陣と変幻自在の表現力を持つボーカル KAZUKIの歌声も、この曲ではひときわ丁寧に言葉を紡ぐことに注力している。全体を通して、まさに〈ここが居場所〉と思えるような安心感を聴く人にも与えるような楽曲だ。

 また、公開済のMVでは、ドラマとは切り離された“DOBERMAN INFINITYの「6 -Six-」”がより深く表現されている。ビル街の夕暮れやネオンをバックにし、5人分の車が“それぞれの道のり”を感じさせる、ガレージという舞台。はじめに年長者から順に一人ずつ合流していくのは、別々の場所で生まれた彼らの人生が交わり合う過程の表象だろう。何気ない様子で談笑するメンバーたちを優しく照らす光の表現が、彼ら一人一人が出会ったことの奇跡を表しているようにも感じられる。また、最後に一カ所に集まった彼らが車5台分のヘッドライトに照らされて歌う映像表現は特にドラマチックだ。寒々しい都会のコンクリートを煌々と照らすヘッドライトには、歌詞にも表れていた“大人の意地”のようなものも連想される。ドラマの登場人物たちよりもっと年齢を重ねた彼らの、グループとしての色と魅力が詰まったMVになっていると感じた。

DOBERMAN INFINITY「6 -Six-」 (Official Music Video)

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