EXILE MAKIDAI 連載「EXILE MUSIC HISTORY」第2回:KENJI SANOと語り合う、“EXILEのキャプテン”として共に歩んだ軌跡

EXILE MAKIDAI 連載 第2回:KENJI SANO

“EXILE PRIDE”を持って行動しなければいけない

MAKIDAI:キャプテンの著書『超YEAH!!! EXILEのキャプテン語る みんなハッピーライフ』(小学館)を改めて読み直しました。2006年の『EXILE VOCAL BATTLE AUDITION』の話が印象的でした。

SANO:SHUNが脱退することになって、HIROが「ボーカルをどうしよう?」と言っていたので、「ボーカルを募るオーディションをやったらいいんじゃない?」と提案してみたんです。でも、HIROからは「実はAKIRAを入れようと思ってたんだけど」と返ってきて(笑)。その時は「え、ボーカルを探しているんじゃないの?」と思いましたけど、後になって考えてみると、HIROらしい発想だったなと思います。きっと、あのままTAKAHIROだけが加入していたら、単に後釜が入ったように見えていたかもしれないけれど、AKIRAも入ったことで新しいEXILEを打ち出すことができた。「It’s the next chapter! Oh my god! Say yeah!」って思いました。

MAKIDAI:そこからEXILE第二章が幕を開けたわけですから、まさに「Say yeah」ですね(笑)。ピンチをチャンスに変えるHIROさんらしいアイデアです。

SANO:そう、HIROの発想はいつもとんでもなくて。普通だったら「どうしよう」なのに「これはこうして、ああして」と次を見極めてやっていく。それを何度も実現させてきたのは本当にすごいね。

MAKIDAI:そうですね。あと、僕らがずっと掲げている「EXILE PRIDE」というスローガンも、実はキャプテンからいただいた言葉です。EXILEとキャプテンの関係を表している言葉だとも感じています。

SANO:EXILEのメンバーが14人になったときの食事会で、新たに加わった二代目 J SOUL BROTHERSのメンバーに「今、下手を打つと、あなたたちの名前じゃなくてEXILEの名前が出るんだ。だから何をやるときでも、“EXILE PRIDE”を持って、よく考えて行動しなければいけないよ」と伝えたんです。そうしたらHIROが「キャプテン、俺ずっとそれ使います」と言ってくれたんです。

SANO:キャプテンはいつも、みんなで集まるときのスピーチで有意義なことを言ってくれるんですよね。僕らの中では“キャプテンスピーチ”と言われています。

SANO:もう10年位やっているから、「またかよ」って思っている人もいるんじゃないかな(笑)。

MAKIDAI:いえいえ、僕らはもう「逆にないと寂しい」みたいな感じです。「EXILE PRIDE」も、そのスピーチで話してるときに出た言葉。そこから『EXILE LIVE TOUR 2013 EXILE PRIDE』につながりました。HIROさんが勇退する姿は今も脳裏に焼き付いています。

SANO:本当にあれはヤバかったね。最後にHIROが後ろを向いて、階段を上がって行く姿はもう最高にカッコよかった。鳥肌が立ったよ。みんな泣いていたし。

MAKIDAI:坂を1人ずつ上がって行くんですけど、本当の最後のときの背中が超カッコよくて、生き様を感じました。ただ、HIROさんは泣くのを美学としませんから、「HIROさんが泣いていないのだから、自分たちも泣くまい」と顔は耐えているんですけれど、もう勝手に涙が溢れてきて。

SANO:あれが彼の「Final chapter」だったからね。

日本全国にファンがいるからこそ、長くできる

MAKIDAI:EXILEの楽曲で印象に残っているものは何ですか?

SANO:やっぱりリスナーとして考えたら、ある時は「願い」や「運命のヒト」。何かちょっとハッピーになりたいという時は「Love, Dream & Happiness」みたいな曲とか。あとは「Everything」もいいし……選びたい曲が多すぎますね(笑)。しかも僕は全部弾いてるじゃないですか。弾きにくい曲もあれば、めちゃくちゃ簡単な曲もあったり、思い出ばかりだから1曲に絞るのは無理です。

MAKIDAI:自分もそうです(笑)。

SANO:やっぱりEXILEは曲の力が半端ないですから。オールマイティなんだよね。若い人が「この曲大好き」という曲もあるし、ご年配の人が「この曲大好き」と思う曲もある。

MAKIDAI:幅が広いですよね。自分が言うのも変ですけど、色々な方に作っていただいたおかげで、第一章の頃からいい曲に恵まれていたなと感じます。

SANO:そう。それをATSUSHIとTAKAHIROが愛を込めて歌っている。パフォーマーとボーカリストが気持ちを体から出すから、リスナーにもそれがちゃんと伝わっているんだよ。だから、これだけ多くの人が繋がっていくんだと思う。

MAKIDAI:なるほど。

SANO:あとライブでいえば、ホールツアー『EXILE SHOWCASE LIVE 2008』が印象深いね。やっぱり楽しかったし、やりがいがあった。地方のホールでちゃんといいライブをすると、いざドームでやろうというときにファンが集まってくれる。たとえば、16歳のときに地方のホールでライブを観た子が20歳になって、東京や大阪に出てきて、友達や同僚に「私の地元にも来てくれたのよ。もう最高だから一緒に行こう」と誘ってくれて、そこからまたファンが増えていく。日本でドームライブをやるアーティストは、何年か続けてやるじゃないですか。奈美恵ちゃんもそうだし、矢沢永吉さんもB’zもそう。日本全国にファンがいるからこそ、長くできるんですよね。

MAKIDAI:ホールのライブを近くで見て、その楽しさを体感してくれたからこそ、ドームにも来てくれると。僕があのホールツアーで覚えてるのは、パフォーマーチームでやったJB(ジェームス・ブラウンの音ネタでのダンス。以下、JB)のパフォーマンス。キャプテンがMCも演奏もしてくれて。

SANO:あの曲はバンドとパフォーマーだけのオーガニックなパフォーマンスで、泥臭い感じだった。またやりてえ(笑)。

MAKIDAI:あれは、ヤバかったです。キャプテンのチームの生音でJBを踊るなんて! あのツアーではアリーナ公演もやったのですが、楽しくて動きすぎちゃって、後半とか結構ヘロヘロになったのを覚えてます(笑)。

SANO:あれは盛り上がったね。ホールは目の前に人がいるからテンションも上がるし、当時はデータ(同期/打ち込み音源)も少なかった。バンドアレンジで思いっきり踊ってもらうことができたのは、いい思い出です。やっぱり俺たちもみんなが「わーっ!」ってなったら嬉しいし、自分も気分が乗るからギブ・アンド・テイクじゃないですか。

MAKIDAI:音が急に止まったこともありましたよね。ボーカルがステージにいない状態、パフォーマーだけでステージに立っていたら電源が落ちた。あの時はソロを順番にやっていて、ちょうどAKIRAの時だった気がします。彼もグルーブを止めないように機転を利かせて、普段はやらないロックダンスをやったり(笑)。

SANO:全部の音が止まっちゃったから。バンドのアンプから出る音と、ドラムとパーカッションだけで繋いだんだよね。

MAKIDAI:そのグルーブでまた音楽が始まったとき、会場は普段とは違う盛り上がり方で「Yeah!」ってなりました。後にも先にも、ライブ中に音が止まったことなんてなかったんですけれど、キャプテンたちがアドリブで会場のバイブスを取り戻してくれて。

SANO:いやあ、もう真っ青でしたよ。でも、原点に戻った感じだったよね、昔はよくやっていたことだから。EXILEのメンバーがすごいことをやってるから、俺たちはそれを支えることに徹しなきゃいけない。それは音響の人もそうだし、照明の人もそう。みんなで一丸となって、EXILEがやりたいことを実現させなきゃいけないという気持ちそのものが、モチベーションにもなっているんだ。



インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる