ACE COLLECTION、コロナ禍で導き出した“我が道を行く”という選択 新曲「GO MY WAY」に表れたバンドの進む未来
そんな「GO MY WAY」を生んだのは、バンドメンバーとの対話だったという。「この曲は、僕が部屋に1人でいる時、メンバーとの長電話に“またね”した流星群の日。その電話でアツアツに燃え上がった想いを、携帯電話にそのままメモしてできた曲です」とたつや◎は振り返っているが、メンバー4人、折れそうな心をお互いに励まし、鼓舞しながら前を向こうとしていた様子が目に浮かぶようだ。その意味では、この曲はACE COLLECTIONのロックバンドとしてのプライドとパワーを証明する1曲でもある。多彩な楽曲をもつ彼らにあって、この曲がもっともストレートなロックチューンに仕上がったのは、これがほかならぬ「バンド」の賜物だからだろう。「GO MY WAY」とは、ACE COLLETIONが自分たちを自分たちで後押しする、まさにそのために作られたのだ。
「まだまだ未熟者な僕がこの言葉を使うことは、自分勝手でわがままに聞こえ、周りの人に"都合のいい人"と思われないか、臆病になっていました」とたつや◎自身が述懐しているように、この曲のメッセージはともすれば偉そうに聞こえたり、リアリティを伴わなかったりしてもおかしくないものだと思う。あるいは、この状況下で「がんばろう」とか「負けるな」とか、そういう人畜無害なエールでお茶を濁すこともできただろう。だがACE COLLECTIONはそうしなかったし、「GO MY WAY」はそうならなかった。これは世の中の状況に対するリアクションでも反抗でもなく、彼ら自身、もっといえばたつや◎自身の問題だったからだ。
自分じゃない誰かのせい、社会のせい、そしてウイルスのせいにしようと思えばいくらでもできる状況のなかで、そうではなく「これは俺自身のせいなんだ」と自らの喉元にナイフを突きつけること。それができる人はそう多くないし、その態度こそ、ACE COLLECTIONがいかに誠実に、真剣に、音楽に取り組んできたかの証明である。そしてそんなシリアスな思いから出発したがゆえに、「GO MY WAY」はこの2020年を生きるすべての人に実感をもって届く普遍的なメッセージとなった。〈多数か少数かじゃなく、僕らしい方へ行くのさ〉。言うは易く行うは難し。これまでの活動も、そしてこのコロナ禍でのアクションも、この歌詞にあるとおりの行動を選んできた彼らだから、この曲は揺るぎない強度をもつことができたのだ。
まだまだ先行きは不透明、もはやそれが何なのかすらわからなくなっているが、「いつもどおり」が戻ってくるまでには時間がかかるだろう。しかし、そのなかで何を選び、どの方角に進むのか、この曲の晴れやかなサウンドを聴くかぎりACE COLLECTIONに迷いはない。2021年2月には、メジャーデビュー後初のツアーもついに決定した。東名阪、そして横浜のZeppを巡る『LIVE TOUR 2021 “STARDUST”』。そこには彼ら自身が心に決めて掴み取った、すばらしい未来が待っているだろう。今からとても楽しみだ。
■リリース情報
「GO MY WAY」
2020年11月18日(水)リリース
配信先はこちら
■ツアー情報
『ACE COLLECTION LIVE TOUR 2021 "STARDUST"』
2021年2月3日(水)【大阪】Zepp Osaka Bayside
2021年2月12日(金)【愛知】Zepp Nagoya
2021年2月18日(木)【東京】Zepp Tokyo
2021年2月22日(月・祝前)【神奈川】KT Zepp Yokohama