BUMP OF CHICKEN、Sexy Zone、マカロニえんぴつ……新たな表現に踏み込んだターニングポイント作品 新譜からピックアップ

 『ポケットモンスター』とのコラボが実現した「アカシア」、アニメ版映画『思い、思われ、ふり、ふられ』の主題歌「Gravity」を収めたBUMP OF CHICKENのニューシングル、松島聡の復帰後初となるSexy Zoneの新シングル『NOT FOUND』など5作を紹介。新たな表現に踏み込んだ、各アーティストのターニングポイントなる作品ばかりだ。

BUMP OF CHICKEN『アカシア/Gravity』

 アルバム『aurora arc』(2019年7月)以来、約1年4カ月ぶりのCDリリースとなるニューシングル『アカシア/Gravity』が届けられた。「アカシア」はポケモンスペシャルミュージックビデオ「GOTCHA!」のテーマソング。眩い光を放つバンドサウンド、心地よく上昇していくメロディ、〈あの輝きを確かめにいこう〉という願いを込めた歌詞が響くアッパーチューン。ライブでのコール&レスポンス必至のコーラスも愛おしい。『思い、思われ、ふり、ふられ』(『ストロボ・エッジ』などで知られる咲坂伊緒原作マンガ)のアニメ版映画の主題歌に起用された「Gravity」は、BUMP OF CHICKENの優しさ、切なさがたっぷり詰まったバラードナンバー。“今、ここで一緒にいること”の奇跡、そして、いつか消えてなくなるとわかっていても、永遠を願わざるを得ない切実な感情を映し出すボーカルに心を揺さぶられる。

BUMP OF CHICKEN「Gravity」

 2018年11月から突発性パニック障害の治療のため活動を休止していた松島聡が、ついにグループに復帰。ニューシングル『NOT FOUND』は『カラクリだらけのテンダネス/すっぴんKISS』(2018年12月)以来、約2年ぶりとなる“5人のSexy Zone”による作品だ。菊池風磨の主演ドラマ『バベル九朔』(日本テレビ系)の主題歌に起用された表題曲「NOT FOUND」は、官能的なトランペットの音色から始まる楽曲。ソウル、ジャズ、ロックなどを融合させたサウンド(編曲は亀田誠治)、セクシーな雰囲気と力強い意思を共存させたボーカルからは、20代半ばに近づいたメンバーの大人っぽい表情が感じられる。〈叶えたいんだよ 少年だった僕らが夢見た未来を 胸に宿る情熱を絶やさぬように〉というフレーズにしっかりとした説得力を持たせる歌の表現力にも注目してほしい。

Sexy Zone「NOT FOUND」Music Video(YouTube ver.)
マカロニえんぴつ『愛を知らずに魔法は使えない』(通常盤)

 ジャンルの壁を軽々と超えていく音楽性、緻密なアレンジメントと生々しいバンド感が同居したサウンド、日常のなかで生まれる感情の機微と普遍的なメッセージを結びつける歌。メジャー1st EP『愛を知らずに魔法は使えない』でマカロニえんぴつは、バンドのアイデンティティをさらに増幅しながら表現してみせた。かき鳴らされるギターとともに〈僕が僕を愛し抜くことなあ、まだ信じてもいいか?〉というフレーズからはじまり、煌びやかさと激しさがぶつかり合うロックチューンにつながる「生きるをする」(アニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』オープニング主題歌)。切れ味のいいストリングス、ダンサブルなビート、ハードロック風のギターなどを融合させた「ノンシュガー」(ドラマ24第60弾特別企画『あのコの夢を見たんです。』オープニングテーマ)など、個性溢れるナンバーが並んでいる。

マカロニえんぴつ「生きるをする」MV

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