LiSA、劇場版『鬼滅の刃』主題歌「炎」がビルボードグローバルチャートイン 世界規模で評価受ける“聴く者の心を震わす歌声”

LiSA、劇場版『鬼滅の刃』主題歌「炎」がビルボードグローバルチャートイン 世界規模で評価受ける“聴く者の心を震わす歌声”

 LiSAの最新シングル曲「炎(ほむら)」が、米ビルボードが10月27日に発表したグローバルチャート(10月31日付)において初のトップ10入りを果たし、注目を集めている(参考)。

 グローバルチャートは、世界200以上の地域のストリーミング再生数およびダウンロード数をもとに算出されるランキング。アメリカのデータを含む“Global 200”と、アメリカのデータを除外した“Global Excl. U.S.”の2種類のチャートが存在し、LiSAの「炎」は“Global 200”で前週62位から8位に急上昇。“Global Excl. U.S.”では前週21位から2位にジャンプアップした。ビルボードの集計によると、「炎」は同週にストリーミングで1,940万再生を記録、ダウンロードの売り上げは97,000DLだったという。

 同チャートの他のトップ10アーティストに目を向けると、今年8月に米ビルボードのメインチャート“HOT100”で首位を獲得して以来、現在も上位をキープし続けているBTS「Dynamite」が、“Global 200”“Global Excl. U.S.”の両方で1位に。その他、ラッパーの24kゴールデンによるTikTok経由で火が付いた「Mood」、ラテンポップ界の若きスター・マルマが歌うスムースなレゲトンナンバー「Hawái」、LAの注目コレクティブであるInternet Moneyによる全英チャート1位を獲得した「Lemonade」などが上位に並んでいる。

 「Dynamite」は、Daft Punk「Get Lucky」やマーク・ロンソン feat. ブルーノ・マーズ「Uptown Funk」といった特大ヒットの流れに連なる、80’sのフレイバーを取り入れた軽快なディスコポップチューン。その他の楽曲も、メロディアスで耳馴染みのいいサウンドとトラップ〜レゲトン〜ダンスホールレゲエ〜アフロビートなどのリズムトラックを掛け合わせた曲調で、いずれも昨今の世界的な音楽トレンドの影響下にある楽曲と言えるだろう。

BTS (방탄소년단) ‘Dynamite’ Official MV

 そのように享楽的な楽曲が並ぶ本チャートにおいて、重厚なサウンドを伴ったドラマティックなバラード曲であるLiSA「炎」の存在は明らかに異質。同曲がグローバルチャートで飛躍を遂げた理由の一つは、やはりNetflixなどの動画配信サービスを通じて世界的に人気を集めているアニメ『鬼滅の刃』に関わる楽曲ーー同作の映画作品『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』の主題歌であるということが挙げられるだろうが、個人的には、それだけにとどまらない普遍的な魅力が備わっているからこそ、日本語の楽曲という言語の壁を超えて、世界規模での広がりが生まれているように感じる。

 そもそもLiSAは“ロックヒロイン”の異名を持つことで知られるように、一般的には熱気や昂揚感を誘うロックナンバーを得意とするイメージが強い。その最たる例として、令和を代表するヒット曲となった「紅蓮華」(2019年)のアグレッシブな歌唱が挙げられるだろうが、彼女のその情熱的で聴く者の心をも巻き込むようなボーカリストとしての資質は、バラードソングにおいても特別な輝きを放つ。

LiSA 『紅蓮華』 -MUSiC CLiP YouTube EDIT ver.-

 LiSAのキャリアを遡ると、シングル表題曲として初めてバラードに取り組んだ「シルシ」(2014年)は、日々の中で刻んできた生の証とその瞬間瞬間のかけがえのなさを、感情がほとばしるような激唱で表現した感動的なナンバーだった(同曲がエンディングテーマとして使われたTVアニメ『ソードアート・オンラインIIⅡ《マザーズ・ロザリオ》編』を観た人なら、なおさら涙なしでは聴けないはずだ)。一方で、同じく『ソードアート・オンライン』シリーズのエンディング曲として書かれた「unlasting」(2019年)では、二胡をフィーチャーした切なく幽玄的なサウンドに乗せて、ただ歌い上げるのではなく、内に情熱の炎を宿す抑制の効いた歌声で、残された者の悲しみと希望を描写。初のドラマタイアップ曲となった「愛錠」(2020年)での情念的なアプローチも印象深い。

LiSA 愛錠 -Lyric video YouTube Edit ver.-

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