LiSA、ドリカム、和楽器バンド……独自の世界観を築き上げてきたアーティストたち 新譜5作からピックアップ

 TVアニメ『鬼滅の刃』の主題歌として大ヒットを記録した「紅蓮華」を含むLiSAのニューアルバム『LEO-NiNE』、「LOVE LOVE LOVE」、「未来予想図Ⅱ」などのヒット曲をリミックスしたDREAMS COME TRUEの企画アルバム『DOSCO prime』。際立った表現力とセンス、音楽的なスキルによって、独自の世界観を築き上げてきたアーティストの新作をピックアップします!

LiSA『LEO-NiNE』(通常盤)

 大ヒット作『鬼滅の刃』アニメ版主題歌にして、LiSAの存在をさらに広い層のリスナーに知らしめた「紅蓮華」を含む約3年ぶりのオリジナルアルバム『LEO-NiNE』。「紅蓮華」のほか、「unlasting」 (アニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld』エンディングテーマ)、「ADAMAS」(アニメ『ソードアート・オンライン アリシゼーション』オープニング主題歌)などのシングル曲を収めた本作は、ヘビィロック、メロコア、J-POP、アニメソングを結び付けながら、唯一無二の音楽世界を作り上げてきた彼女の最新モードが強く刻み込まれている。軸になっているのは、超ヘビィなギターと重厚感のサウンドとともに“この世界を遊びつくせ!”というメッセージを掲げる「play the world! feat.PABLO」。自らが置かれた場所から逃げることなく、ここでとことん楽しんでやる!という覚悟と矜持は、アーティスト・LiSAの本質と言えるだろう。

LiSA 『play the world! feat.PABLO』 -MUSiC CLiP-
DREAMS COME TRUE『DOSCO prime』

 10月17日から開催されるDREAMS COME TRUE初のオンラインイベント『DREAMS COME TRUE WINTER FANTASIA 2020 – DOSCO prime ニコ生 PARTY !!! -』の一環として制作された“ディスコ仕様変換済”のベスト的アルバム『DOSCO prime』。「うれしい!たのしい!大好き」、「決戦は金曜日」、「大阪LOVER」といった代表曲をメンバー自身が再構築した本作は、“ダンスミュージックとしてのドリカム”という側面を際立たせている。60~80年代のファンク、ソウル、ディスコなどをルーツに持つ二人にとってこのベストは、ルーツへの回帰であり、2020年のポップミュージックの在り方にアジャストした作品でもあるのだと思う。大胆なリミックスを施しながら、吉田美和の歌の魅力はまったく損なわれていないバランス感も見事。個人的ベストは2ステップ系のリズムとドープな低音サウンドが身体を揺らす「朝がまた来る」。

コブクロ『灯ル祈リ』(通常盤)

 善と悪、正義と不正義。分断される世界のなかで、それでも人々は希望を求めて生き続けるーー。コブクロのシングル曲「灯ル祈リ」は、この社会で懸命にがんばっている人たちへの真摯なメッセージが込められた楽曲だ。福士蒼汰主演ドラマ『DIVER-特殊潜入班-』(関西テレビ)主題歌として制作されたこの曲は、細やかな鍵盤の音から始まり、激しいギターサウンドからドラマティックなメロディへと結びつく。それぞれの感情がぶつかり合い、大きく引き裂かれている現代。そんな現状から目を逸らすことなく、〈生きる 意味を叫べ ひび割れ切った時代の影に〉という言葉を響かせる「灯ル祈ル」は、これまでのコブクロの楽曲のなかでも、際立ってシリアスな雰囲気を漂わせている。真摯な思いを真っ直ぐに届ける小渕健太郎、黒田俊介の歌にも強く心を揺さぶられる。

コブクロ/灯ル祈リ

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