欅坂46、改名発表から現在に至るまでーー“櫻坂46としての再スタート”へ向けたグループの活動

 その後、8月21日のちょうどグループ結成5周年のタイミングでラストシングル「誰がその鐘を鳴らすのか?」を配信リリース。この曲が欅坂46としての最後の楽曲となり、テレビ各局の音楽番組で披露していった。7月18日に『音楽の日』(TBS系)、8月には『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)と『CDTV ライブ! ライブ!』(TBS系)、『シブヤノオト』(NHK総合)、9月になると『THE MUSIC DAY』(日本テレビ系)、『テレ東音楽祭2020秋』(テレビ東京系)へと立て続けに出演。パフォーマンスを重ねるに連れてダンスや表情も洗練され、グループの気持ちがひとつになっていくのが感じられた。

 なかでも印象的だったのは『テレ東音楽祭2020秋』でのパフォーマンスだ。スタジオを大きく使ったステージングに幻想的なライティング、そしてグループ全体を見渡せる画角の広いカメラワークの中、彼女たちから感じられたのはほどよい緊張感と絶妙な力の入れ具合。最後に2列になって目を瞑る振りの後に、全員で立ち上がって見せた柔らかくやさしい表情からは、今までになく強いグループの結束力が伝わってきた。

 2期生も今ではすっかりグループの中心メンバーとなり、その列のちょうど中心に立っていた松田里奈をはじめ、多くのメンバーから頼もしい雰囲気を感じる。改名という決断に戸惑う声も多かったが、メンバーたちがこうした言葉や表情を見せ続けてきたことで、ファンの間にも前向きな空気が行き渡っているように思う。

「本当にもうひとがんばりして、新たな花を咲かせたいと思っているんです。才能は有限ですけど、努力は無限にできますから」(同誌より)

 と菅井は言う。今の彼女たちなら、今後どんなことがあっても乗り越えていけるだろう。

■荻原 梓
J-POPメインの音楽系フリーライター。クイックジャパン・リアルサウンド・ライブドアニュース・オトトイ・ケティックなどで記事を執筆。
Twitter(@az_ogi)

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