“NCTシステム”の最前線を行くNCT U、人数やジャンルにとらわれないユニット特性 高い完成度誇る各楽曲を解説
その後も、ドラマの劇中歌「Radio Romance」にテイルとドヨンが参加。ラジオというアナログなアイテムがキーとなるドラマにちなんで、ちょっぴり懐かしさを感じさせるミディアムテンポのロックナンバーに仕上がっている。これまで息を合わせてきたテイルとドヨンの透明感のあるハーモニーが心地良く、まったくデビュー曲「The 7th Sense」の面影を感じさせない振り幅だ。
と思っていた矢先に、スタイリッシュなヒップホップ「BOSS」をぶつけてくるのが実にニクい。テヨン、ドヨン、ジェヒョン、ウィンウィン、ジョンウ、ルーカス、マークと人数を生かしたフォーメーションダンスに魅了される。素早い振り付けに、耳に残るラップ、伸びやかなボーカル……その完成度の高さに惚れ惚れする。
そして、「Baby Don’t Stop」では、テヨンとテンのタイプが異なる美しいシンメを堪能することができる。同じ振り付けを踊っているはずなのだが、それぞれの個性がハッキリと浮き上がる。しかし決して、その動きは反発し合うわけではなく、まるでダンスで会話を楽しんでいるかのようにも見える。言葉を交わさずとも、深い何かで通じ合っている。そんなことを考えずにはいられないようなエモーショナルな空気が漂うのだ。
さらに「YESTODAY」では、テヨン、マーク、ルーカス、ドヨンと4人中3人がラッパーという、またもや尖った組み合わせで楽しませてくれる。テヨンとマークが作詞に参加しており、“すべてのことは昨日のように過ぎていく“と歌いながら、MVはすべての瞬間が夢か幻かのような、写真コラージュやアニメーションが随所に散りばめられている。次々と目に飛び込んでくる色彩豊かな映像は、まさにセンスのかたまり。
NCT U名義では最新曲となる2019年12月リリースの「Coming Home」は、テイル、ドヨン、ジェヒョン、ヘチャンで構成された、ウィンターソング。ギターやピアノの音色にのせて、甘くロマンチックに歌い上げるのは、K-POPの王道とも言える。
人数も、ジャンルも、そして“自分たちらしさ”にも、とらわれないことこそ、NCT Uらしさ。いつでも最旬作品を、最高の状態でリリースできるという強みを活かし、いつだって次に何を見せてくれるのかと、ワクワクさせてくれるグループから目が離せられるわけがないのだ。