EXIT×スカイピース、ある“バイブス”によって誕生したコラボ 『CDTVライブ!ライブ!』出演を機に考える共通点

 なぜこれほどまで相性の良いコラボが生まれたのか。そこには両者が持ついくつかの共通点にあるように思う。まずは発信するメッセージのポジティブさ。スカイピースの動画もEXITのネタも観客を笑わせ楽しませることに徹しているが、決して誰かを貶めたり傷つけたりするものではない。自分たちが底抜けに明るく振舞うことで、観客側の気持ちを向上させるようなエンターテインメントを提供している。ある部分では “チャラさ”と評されるような観客との距離の取り方も絶妙で、何よりサービス精神にあふれている。またそれぞれがYouTuberやお笑い芸人という垣根を越えて、歌手活動など新たな可能性にチャレンジする姿も同様だ。並々ならぬプレッシャーや苦労は間違いなくあるだろう。でもそれを感じさせないのは、何事にも真摯に向き合い全うしているから。「ぴえんは似合わないぜ」発売時のコメントではりんたろー。が「ザイマンはあくまでアーティスト活動の片手間でやってきたまで!」と意気込みを語る一方、兼近は「誰かを楽しませる、喜ばせる、という意味ではマジでぶつかっていかないと絡むーちょしてくれたすべてのパリピ共に失礼。ガチガチのガチでチャラついてます」と宣言。彼ららしい言葉の中にもアーティスト活動への決意がにじむ。そんな見た目の派手さと根っこの真面目も、スカイピースと通じるところだ。出自も活躍するフィールドも違うが、共通する“バイブス”で結ばれた2組であるがゆえの、親和性の高さがあったのは間違いない。

 「ぴえんは似合わないぜ」の後には、スカイピースが6月にリリースしたアルバム『青青ソラシドリーム』収録の「オタパリパーティー」のMVで再び共演。楽曲リリース後も良い関係が続いていることを見せつけた。今回の『CDTVライブ!ライブ!』特番出演は、実に半年ぶりに4人が揃ってのパフォーマンスとなる模様。果たしてどんなステージを見せてくれるのか。オンエアを楽しみに待ちたい。

■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。

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