『青青ソラシドリーム』インタビュー
スカイピースが語る、YouTuber×アーティストとして貫く“挑戦”の姿勢 毎日投稿卒業と横アリ中止の心境も
人気YouTuber×アーティストとして活躍中のスカイピースが、3rdアルバム『青青ソラシドリーム』を本日6月10日にリリースした。
新型コロナウイルスの影響により発売日は5月20日から6月10日へと延期、予定していた横浜アリーナでのイベントも中止。そしてYouTuberとしても、結成から4年間続けてきた毎日投稿を卒業し、新体制で様々な取り組みを開始しようとしていた矢先に、大きな試練が降りかかる形となった。だが、彼らは相変わらずポジティブだ。
「“自分たちが楽しい”を変えない。そこを大切にしていればどんなに大きな変化があっても大丈夫」と前を向く。そんなスカイピースに、『青青ソラシドリーム』に込められた想い、そして彼らが見据えている次なる風景について聞いた。(佐藤結衣)
挑戦する姿も見せつつ、応援していくアルバムに
ーー2017年8月のメジャーデビューから歌手活動生活も、もうすぐ4年目に突入します。今のお気持ちはいかがですか?
テオくん:この1年で自分自身が、音楽に励まされたことが本当に多くて。歌詞を書くときとか、メロディにつけるときに、この曲を聴いた人がどう動き出してくれるのかっていうのを、より意識するようになりましたね。
☆イニ☆(じん):今年はなかなかライブをすることができない時期があったので、アルバム制作時に感じたことがメインにはなるんですけど、自分もいろんなことを考えるようにはなりました。ライブでの景色だとか、みんなの歓声とか、自分たちが歌ってる姿とか。1stアルバム(『にゅ~べいび~』)をリリースしたころは、歌いたいものを歌いたいようにって感じだったんですけど。いろんなことを考えられるようになったなって思います。
ーー中川翔子さんやEXITさんなど、数々のコラボ楽曲も話題になりました。そうした経験から、何か新たに掴んだものはありますか?
テオくん:しょこたんからゲッティングしたもの……え、しょこたんでいいんだよね?
☆イニ☆:いいよ、「しょこたんでいいよ」って言ってたもん(笑)。
テオくん:率直に、しょこたんが歌ってる姿を間近で見て、めちゃくちゃすごいって思ったんですよ。歌詞の中にセリフ調の掛け声があって、その声の出し方が「もー、声優さんじゃん!」って思って。EXITさんも歌手が本業というわけではないんですけど、すごく心に届く歌で。共通してることはなんだろうって思ったときに、上手に歌おうって固くならずに、とにかく楽しんで歌ってることなんですよね。歌に一番必要なのって、楽しむことだなっていうのは感じました。
☆イニ☆:EXITさんとコラボしたときにテレビにも出させていただいて、自分も同じことを思いましたね。笑いもそうなんですけど、「楽しい」って気持ちも見ている人がつられると思うんですよ。とにかく自分たちが一生懸命になって、楽しんでいる姿を見せていくことで、たくさんの人に「楽しい」が伝わったらいいなって。そういうのがスカイピースらしいライブになると思いました。
ーーなるほど。では、改めて今回リリースした『青青ソラシドリーム』に込めた想いも聞かせてください。
テオくん:コンセプトは“挑戦と応援”です。スカイピースとしてもこれまで毎日投稿をずっと4年間近く続けてきたんですが、それをやめて週1本のクオリティの高い動画を出していこうっていう挑戦のときで。その大きな決断をするタイミングで書いていたのが「青青ソラシドリーム」であり、このアルバムだったので。“自分たちも挑戦するから、みんなもそれぞれの頑張りたいことに挑戦してほしい”っていう想いを込めました。挑戦する姿も見せつつ応援していくっていうのが、YouTuberとアーティストを両方やっている自分たちだからできることだと思っています。
ーーどのくらい前からアルバム制作は始まったんですか?
☆イニ☆:今回収録されている楽曲の中には、結構前に作ったもののリアレンジもあって。「オタパリパーティー」は1年以上前ですし、「Enjoy Summer」は去年の夏くらいだったかな。夏にツアーがあって、そのときに“歌えたらな”って思っていたので……1年越しのリリースという感じですかね。
ーー「オタパリパーティー」は「オタパリダンシン」のアンサーソングなんですよね?
☆イニ☆:はい、そうです!
ーー「オタパリダンシン」のMV動画の再生回数も伸び続けていますね。もうすぐ……?
テオくん:ありがとうございます。もうすぐ、7000万回だっけ?
☆イニ☆:いやいや、そんないってない、いってない!!
ーー(笑)。「オタパリパーティー」のMVを公開されましたが、その制作秘話も教えてください。
☆イニ☆:「オタパリダンシン」の続編を作ろうってことで、同じ作曲者のパピコさんにお願いしてトラックを作っていただきました。スカイピース初のワンカットMVにも挑戦して、「オタパリダンシン」で踊ってくれたメンツに加えて、EXITさんやリアルアキバボーイズさんとかにも参加してもらって、なかなか豪華な感じになりましたね。
ーーコラボの輪が年々広がりますね。
テオくん:たしかに! 広がってます!!
☆イニ☆:去年は絶対に来てくれそうな人しか呼ばなかったもんね(笑)。
テオくん:逆に、断られたらびっくりしちゃうメンバーばっかりだから。「え、来ないのなんで?」ってなる(笑)。
ーー同じく先行配信曲の「悪いが中二病が世界を救う」についてもお聞きしたいです。
☆イニ☆:これは実話になっておりまして……。誰しも小さいころに恥ずかしいことや「バカだな」ってことをしたと思うんですけど……。それを人は「黒歴史」とか言うと思うんですけど……。その黒歴史があったからこそ、今の自分たちがいるんだなと思いまして。なので「そんな黒歴史もおもしろおかしく歌っちゃおうぜ!」みたいな感じの曲になっています!
テオくん:(背中をなでながら水を渡す)
☆イニ☆:うん、ありがとう。落ち着くね(笑)。
ーー黒歴史も作品に昇華されると、財産ですね。
☆イニ☆:そうですね。いいネタになります!
ーー「君と僕と夢」は、動画の即興歌から生まれた曲ですよね?
テオくん:はい。動画で作ったサビの歌詞とメロディをそのまま載せるっていう縛りがあったので、難しかったですね。そのサビからなる物語に、どう自分たちの実体験を入れていくのかっていう、通常の曲の作り方とは逆のやり方になったので。
☆イニ☆:普段の作り方って、サビをどっちが担当するかを決めて、サビと自分のパートを作って、「こんな感じ」のテーマっていうのを伝えて、空いているところを相手に作ってもらうっていう流れなんですけど。この曲はスタッフさんも含めてみんなで話し合って作ったんですよ。
テオくん:でも、結果的に今までで一番ストーリー性が生まれた手応えはあります。それに良く聴いてもらうとわかると思うんですが、AメロもBメロも歌詞は変えていますが、メロディは動画内で出たパターンを使ってるんです。これまでのアルバムでも即興歌を採用してきましたけど、今回みたいにAメロ、Bメロ、サビと、全て使うっていうのはなかった形なので、そこも注目してほしいですね。