ゴールデンボンバー 鬼龍院翔が明かす、オンラインライブへの意識と今後 「アーティスト同士は刺激しあうべき」

鬼龍院翔が明かす、オンラインライブへの意識

「作詞まですると、曲が息をしだすような感覚がある」

――ちなみに、これまでと楽曲制作環境には変化はありますか。ゴールデンボンバーはエアーバンドなので、メンバーとレコーディングすることはありませんが……。

鬼龍院:そこは全然変わらないですね(笑)。tatsuoさん(ゴールデンボンバーの楽曲の大半の編曲を担当)とのやりとりも、以前からずっとメールでやりとりしていますし、レコーディングとなれば、エンジニアさんと僕の2人での作業になりますが、エンジニアさんは基本的に背中を向けて作業をしてるから、もともと向かい合ってしゃべることも、ほぼないんですよね。他のバンドさんのように、メンバーがスタジオに同席することがない。つまり、こういった状況下においても、そもそも制作に関わる人が少ないので、あまり影響がないですね。

 強いていうなら、僕はマクドナルドで作詞作業をしていたんですが、それが中々難しくなったことですね。「不要不急の外出をするな」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、僕にとって曲作りは生きていくために必要なことで、不要不急ではないんですよね。とはいえ、それもスローペースになっています。

ゴールデンボンバー

――それはなぜでしょうか。

鬼龍院:例えば、8月のライブを経て展開を考えていましたが、いざ身近なところで陽性、それが大々的に報道されたとなると、色々考え直していかないとと考えたんです。それに、世の中自体がどうなるかわからない。曲作りというのは、ゼロから完成するまで、早くとも1カ月はかかる。例えばこれまでだったら、今頃音楽業界ではハロウィンを想定した曲を作っている人がたくさんいたはず。でも今年はおそらく、ハロウィンパーティーをやってる場合じゃない状況になるかもしれないし、逆に収束しているかもしれない。そんな中で、ハロウィンの曲を作るのは難しい。

――収束した場合、そうでない場合の曲、2パターンが必要になってくるかもしれない。

鬼龍院:そうなんです。でも自分は職業作家ではないし、そこまで割り切れない。作った曲には愛情を持って接していたいので、どっちもいけるスタイルはやりたくないんですよね。それは自分の未熟なところ、わがままなところかもしれないですけど。

 例えるなら、曲って自分の子供みたいなものなので、「どちらかが残ればいいや」なんて、そんなとんでもない話じゃないですか。なので、浮かんできたメロディをメモすることはあるけれど、作詞はお休みしています。作詞まですると、曲が息をしだすような感覚があるので。また例え話になってしまうけど、今は受精卵だけ保存しているというか……。

――なるほど。

鬼龍院:だから、ゴールデンボンバーの新曲制作に関しては、今はペースが鈍っています。そんな中で、『ヒプノシスマイク』さんに提供した「パーティーを止めないで」や、SILENT SIRENさんに提供した「聞かせてwow wowを」などをライブでやってくださっていることは、とてもありがたいと感じます。

――送り出したお子さんが元気に活躍されているわけですね。ゴールデンボンバーの楽曲も願わくば近いうちに、祝福されて生まれてこれるような環境になるといいですね。

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■リリース情報
鬼龍院 翔 リクエストカバーアルバム『うたってきりりんぱ 2nd Season』
2020年11月28日(土)リリース
通販限定CD

[CDのみ] ¥1,818+税 EAZZ-5026
<CD収録曲>全10曲
01. 1/3の純情な感情(SIAM SHADE)
02. 飾りじゃないのよ涙は(中森明菜)
03. Maybe Blue(ユニコーン)
04. ヴァンパイア(Janne Da Arc)
05. 雪の華(中島美嘉)
06. 粉雪(レミオロメン)
07. ワインレッドの心(安全地帯)
08. ガラスのメモリーズ(TUBE)
09. 命に嫌われている。(カンザキイオリ)
10. 歌うたいのバラッド(斉藤和義)

予約・詳細はこちら

■配信ライブ情報
『ゴールデンボンバー全国縦断無観客ライブ「エアーツアー」3days』

長距離移動が何かと難儀なこのご時世に、せめて配信上だけでもツアー先でのライブの雰囲気をお届けできないものかという考えから、
今回は毎回「これでもか」というくらい各地の要素や雰囲気を醸し出したライブや、ご当地名物を食べながら行うトークを都内からお届けします。

10月16日(金)エアーツアー~気持ちは北海道~
10月17日(土)エアーツアー~気持ちは大阪~
10月18日(日)エアーツアー~気持ちは沖縄~

ライブ情報はこちら

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