香取慎吾が『誰かが、見ている』を通して広げる“新しい地図” 三谷幸喜らとの生配信で明かした、作品にかける想い

新しい時代に感じる可能性と、変わらないもの

 さらに、長年テレビドラマと向き合ってきた2人は、ネット配信ドラマの可能性にも瞳を輝かせる。放送時間が1話30分“くらい”と、アバウトでOKなこと。話の流れによっては短くてもいいし、長くなってもいい。また、地上波ドラマならカットしないとならないような展開のない場面も、配信という形ならばそのまま流すことが可能だ。

 本作で特に三谷がお気に入りだというシーンは、第4話。香取が演じる舎人が、寝ている曽我そと子(宮澤エマ)の指のサイズを測ろうと延々苦戦する場面だという。「あんなの見たことないドラマで。あんなに話が進まないシーンってないもん。ひとつずつ面白いし、笑っちゃうし、ちょっと感動する」というから要チェックだ。

 また、香取と長年共に歩んできた稲垣吾郎が出演することでも注目を集めている本作。三谷はもちろん、共演した佐藤二朗までが2人が並ぶ姿に興奮したと語ると、「7年ぶりの共演ってニュースで見て知ったんですけど……(稲垣とは)コントずっとやってきたんで。バラエティだけど、お芝居してきた感はあるんです」と、常に一緒に活動していたからこそ、周囲が感じるような特別な感情にいまいちピンとこないという。むしろ稲垣とは「10歳から一緒。(ジャニーズの)オーディションの日が一緒だった。床で体育座りしていたら、お姉ちゃんに“ファミコンショップ行きたい、ファミコンショップ行きたい”って言ってた(笑)」と、またもや思い出話が盛り上がるのだった。香取にとって、どんなに活動の場が変わったとしても、メンバーの隣に立てば、そこはいつだって変わらない場所ということなのだろう。

9月18日以降広がる“新しい地図”を楽しみに

 他にも、撮影をしたのが2話→1話の順だったこと(そうすることで1話が緊張の解けた状態でスタートできるため)、粕谷次郎役の佐藤二朗が2話の冒頭でセリフを飛ばしたこと(配信されるのは残念ながらTAKE2バージョンだという)、また本編とは全く関係ないように見える映像の吹き替えに山寺宏一、戸田恵子など、ベテラン俳優たちが声優として参加していること、舎人のキャラは『おさるのジョージ』がヒントになったこと……などますます全8話を見るのが楽しみになる情報が次々と飛び出す。

 そして、『誰かが、見ている』というタイトルには「人に見られるって良し悪しもあるけれど、誰かに見られているから頑張れる、見てくれている人がいるから成長できるっていうことを伝えたい」という思いがあるのだと、熱く語る三谷。これを聞いた香取はといえば、「そういう思いが込められたドラマなんだ!」「とにかく笑えたらいいぜ、みんなで明るくなれたら、って思ってた(笑)」と、なんともあっけらかんと自然体だ。

 そんな一見どこまでも噛み合わないのに、長年ずっとタッグを組み続けている香取と三谷が実に微笑ましく、何よりその関係性が愛しい。自由で新しい遊び場を恐れない香取と、そこでのびのびと遊ぶ香取を愛でる三谷。この図こそ『誰かが、見ている』の楽しみ方そのもののように思える。240もの国と地域に、新しい地図を広げることになる香取。きっと世界に、まだまだ同じように“愛しい”を共有できるNAKAMAがいるはずだ。そんな出会いに思いを馳せながら、9月18日を楽しみに待ちたい。

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