池田エライザ×上白石萌音、異なる魅力を持つ二人の歌唱スタイル 絢香「I believe」カバー披露への期待

 一方の池田は音楽ファンとして有名で、SNS等で自らギターを弾き語る姿を投稿することも。歌い手としての活動は、米津玄師の4枚目のアルバム『BOOTLEG』収録の「fogbound」で歌唱ゲストを務めたほか、NHK BSプレミアムで放送中の『The Covers』では、「異邦人」や「SWEET MEMORIES」など歌謡曲のカバーをたびたび披露し話題となっている。ハスキーでしっとりとした憂いを帯びた歌声には女優の表情とはまた違った魅力があり、歌手デビューを熱望する声も多い。

 そんな歌唱スタイル的には正反対に見えるふたりが、「I believe」という楽曲で、互いの魅力をどれだけ引き出し会えるかが一番の見どころ。原曲は絢香の代名詞とも言える力強いバラード。〈I believe myself 信じることで/全てが始まる気がするの〉というメッセージが聴き手の胸を揺さぶり、弱った心を奮い立たせてくれる、人生の応援歌とも呼べる楽曲だ。だからこそ、歌い手にもメッセージに相当する真摯な覚悟が要求される。歌唱ではすでに折り紙つきの彼女たちだけに、女優コンビならではの表現力が問われることになるだろう。

 収録に際しては「こうやって向かい合って目を合わせるのは今も恥ずかしいんですけど(笑)。そんな恥ずかしそうな我々を楽しんでほしい」とコメントしていたふたり。大舞台での初共演は歌手としての彼女たちの評価をさらに高めることになるに違いない。

■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。

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