[Alexandros]、“心の声”でシンガロングした6年ぶりのディスフェスをレポート デビュー以降のバンド史を感じさせた一夜

[Alexandros]、“心の声”でシンガロングした6年ぶりのディスフェスをレポート デビュー以降のバンド史を感じさせた一夜

 今年デビュー10周年を迎えた[Alexandros]。ベストアルバムのリリースは延期、ツアーも中止になるなど、当初の想定通りにアニバーサリー企画が進まないなか、8月14日、15日、『[Alexandros] 10th ANNIVERSARY THIS SUMMER FESTIVAL 2020』を開催した。

 『THIS SUMMER FESTIVAL』、通称ディスフェスとは、[Alexandros]がアマチュアの頃から続けている主催企画の名称。夏とは言い難い時期に開催されることが多かったため、「日本一遅い夏フェス」と銘打たれたディスフェスだが、約6年ぶりの開催となる今年はあえて夏に開催。“フェスのない夏”を覆してしまおうという、このバンドの粋な天邪鬼さを感じる。

 本稿では、とあるバンドとの対バン形式だった14日公演に言及する。おそらくファンの方は、「なんかお酒の名前で色々あった人達ぽいです」という川上洋平(Vo/Gt)のコメント(参照:ナタリー)から、察しがついていたことだろう。

 6月の『Party in ur Bedroom』は配信ライブとしての開催だったが、今回は、会場に500名(座席キャパ50%以内の定員)の観客を入れ、同時に配信も行った。司会者は、ライブ活動休止中、ゆえに久々にファンの前に姿を見せた庄村聡泰(Dr)。感染症拡大防止の観点から声を出せない場内の観客、そして配信で観ている観客に「声が出せない分、心の声をステージに届けてください」と伝えたあと、例のバンドを呼び込む。

 期待通り、画面には“[Champe]”(シャンぺ)の文字。野暮だと承知の上で改めて説明すると、シャンぺとは改名前のバンド名の略称。つまりこの日は、およそ6年前の彼らと今現在の彼らとの対バンだったのだ。メンバーの衣装や髪型は当時を彷彿とさせるもの。白井眞輝(Gt)に至っては“武道館に立つまで喋らない”というキャラ設定まで忠実に再現している。「Zepp Hanedaの屋根吹っ飛ばそうぜ!」、「(Don’t Fuck With Yoohei Kawakami」演奏前に)爽やかな曲やっちゃっていいですか!」といった川上の口ぶりも懐かしい。

白井眞輝

 翌日の15日は、ファンクラブ・モバイル会員を対象とした、リクエストによって演奏曲を決めるライブ。マニアックな内容になると予測された翌日と対比させるためか、セットリストは、当時のライブ定番曲が中心(とはいえ「Kids」や「Don’t Fuck~」、「Untitled」辺りは今やレア曲)。そんななか、「Waitress, Waitress!」Cメロの展開がよりジャジーになっていたり、「Kill Me If You Can」Aメロが歌詞の語感によるノリを活かしたアレンジ変わっていたりと、シャンぺ時代からの進化ぶりを読み取れる場面も多かった。

 観客を目の前にするとやはりスイッチの入り方が変わるのだろう、バンドの演奏は、庄村に「えらい飛ばしよう」と言わせるまでの勢いだ。特に、長尺のソロを弾く機会の多かった白井は、天を仰ぎながら熱の入った演奏を見せる。磯部寛之(Ba/Cho)が、住んでいる地域や職業的にライブハウスに来るのが難しい人がいることに触れながらも、「正直嬉しいね、久しぶりだね」と言っていたように、メンバーは喜びの表情。「Starrrrrrr」のラスサビなど、いつもは観客のシンガロングに任せる箇所もここでは川上が歌い、次へと繋げる。

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