Chaki Zulu、ESME MORI、Mori Zentaro、CELSIOR COUPE…ストリーミング時代の音楽シーン支える注目プロデューサー4組
大物アーティストが見逃さないMori Zentaroの技術
自らを「根っからの音楽オタク」と話すのが、関西発祥のアーティスト組織・Soulflexのブレーンも担うMori Zentaro。同じくSoulflexに所属するSIRUPとは旧知の仲で、彼との数ある共同作品のひとつ「Do Well」(Honda「VEZEL TOURING」CMソング)は、ラテン要素をまぶした躍動的なサウンド構成でスマッシュヒットを記録。正真正銘のブラックミュージック贔屓でありながら、実績を重ねるごとに意匠のインパクトが増してきているあたり、彼の音楽に懸けるアップデート精神は相当なものだ。そんな彼の魅力にアーティストが感化されないはずもなく、香取慎吾は開放的なディスコトラック「Trap」をシングルカット。山本彩は「stay free」などのアルバム収録曲で、耳当たりの良いエアリーな歌唱法に開眼した。
最先端の音を鳴らすクリエイト集団、CELSIOR COUPE
向井太一との深い親交で知られるCELSIOR COUPEは、yahyelやOBKR(小袋成彬)らと時代性を共有するオルタナティブR&Bの騎手的存在。集団で活動しているとのことだが、SNSなどを見て回ってもプロフィールに謎が多く、現時点では覆面ユニットの毛色が強い。先述の向井とはメジャーデビュー前から多くの楽曲でタッグを組み、エクスペリメンタル志向の奥ゆかしいアプローチから明快なファンクまで、柔軟なアイデアを駆使して彼のチャンネル開拓をアシストしてきた。特に「Savage」や「最後は勝つ」のように、内省に傾倒した楽曲でのシナジー効果たるや絶大。BOYS AND MENやDISH//、TAEYOのメジャーデビュー作など、CELSIOR COUPEもまたプロデュース対象の幅が少しずつ広がりを見せており、イノベーティブな音作りのさらなる発展も含め、今後が期待される。
■白原ケンイチ
日本のR&B作品をはじめ、新旧問わず良質な歌ものが大好物の音楽ライター。当該ジャンルを取り上げるサイトの運営、コンピレーションCDのプロデュース、イベント主催の経験などを経て、現在はささやかに音楽ライフを満喫する日々。Twitter