Chaki Zulu、ESME MORI、Mori Zentaro、CELSIOR COUPE…ストリーミング時代の音楽シーン支える注目プロデューサー4組

 BACHLOGIC、今井了介、RYUJA、Nao’ymt。いずれも、ブラックミュージック方面での地位確立を機に、J-POPシーン全体へと飛躍していったプロデューサーである。そもそも、ヒップホップやR&Bは“プロデューサー・ミュージック”とも称されるほどプロデューサーの存在意義が大きい。技量やセンスをハードに求められる面もあるが、そのぶん無名のクリエイターが瞬く間にスポットライトを浴びる可能性も存分に秘めている。特にここ数年は、ストリーミング世代のアーティストが台頭するのと並行して、彼らと切磋琢磨してきた制作者が業界内外からスムーズに注目されるケースも増えてきたように感じる。これよりピックアップする4組のプロデューサーも、まさに今、認められるべくして認められつつある猛者ばかり。次にJ-POPを席巻するのは誰か、想像に胸を馳せながらチェックしてみてほしい。

ヒップホップと歌もの、二つの領域を自在に行き交うChaki Zulu

Awich『孔雀』

 日本のストリートカルチャーをラップ、アート、ファッションと多面的に盛り上げるクルー、YENTOWN。その一員にして、現行ヒップホップの最右翼を担っているのがChaki Zuluである。アーティストに対する鋭い分析力と、豪快さとスタンダードな感覚を持ち合わせたサウンドメイキングが作風の大きな特徴。とりわけ、クルーメイトであるAwichやkZmとのタッグでは、ミステリアスな雰囲気を充満させた「WHORU? feat. ANARCHY」や「Shook Shook」(Awich)、ドラムンベースで軽快に突き進む「TEENAGE VIBE feat. Tohji」(kZm)など、挑戦を厭わない彼の姿勢が如実に表れている。

Awich – WHORU? feat. ANARCHY (Prod. Chaki Zulu)
Awich – Shook Shook (Prod. Chaki Zulu)
kZm – TEENAGE VIBE feat. Tohji (Prod. Chaki Zulu)

 他にも、SALUやSKY-HIら人気ラッパーのプロデュースも引き受け、すでに十分なプロップスを保有するChaki Zuluだが、一方で歌ものとの関連性も深い。元々はTHE LOWBROWSというグループで音楽活動をする傍ら、制作サイドの人間として山下智久やMIYAVIらの楽曲を担当。ヒップホップ界隈での評判を受けてか、最近ではダンスポップ関連への従事が再び増加しており、RYUJI IMAICHIやGENERATIONS from EXILE TRIBEといったLDH関連アーティストの作品では、スパイスとしてもはや欠かせない存在に。また加藤ミリヤにトラック提供した「Don’t Let Me Down」は、歌ものとヒップホップ、両方の作法を上品に調和させたChaki Zuluならではの佳曲となっている。

加藤ミリヤ「Don’t Let Me Down」

iriとの抜群のコンビネーションで魅せるESME MORI

 資生堂やNTTドコモなど、誰もが知る企業の広告音楽も手がけるのは、自らシンガーソングライターとしても活動するESME MORI。シティポップやベースミュージックなどを下敷きにした癒し系トラックのスペシャリストで、CMソングとして話題を呼んだchelmicoの「爽健美茶のラップ」は彼の手によるもの。加えて、2019年に新体制を迎えたAwesome City Clubのサポートや、ヒプノシスマイクをはじめとするバーチャル系アーティストへの楽曲提供など活動は多岐に渡るが、やはり彼の名仕事といえばiriとの連動だろう。「Wonderland」や「Come Away」のサウンドワークは、iriのアンニュイな持ち味を誰よりも鮮やかに引き出しているし、さらに彼らは共同制作者として、Sexy Zoneや私立恵比寿中学といった面々にもグルーヴ豊かなダンスナンバーを用意。この全方位型とも言えるコンビネーションがとにかく頼もしいので、今後のJ-POP発展のために願わくば定番化していってほしいところ。

chelmico「爽健美茶のラップ」
iri – 「Wonderland」Music Video 【Full ver.】
iri「Come Away」

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