ヒプノシスマイク、「Survival of the Illest」から感じる新章への期待 各ディビジョンの個性光るパーティーチューンを聴き解く

Division All Stars「Survival of the Illest」

 7月17日、大人気ラップソングプロジェクト・ヒプノシスマイク(以下ヒプマイ)の新曲「Survival of the Illest」が配信でリリースされた。同日にYouTubeでもフルバージョンのMVが公開され、数日で100万再生を記録。絶賛の声が集まっている。

 この楽曲は、今年3月にリリースされたスマートフォン向けアプリゲーム『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』のオープニングテーマ。アプリに登場する【Buster Bros!!!】【MAD TRIGGER CREW】【Fling Posse】【麻天狼】の4ディビジョン、総勢12名による楽曲だ。3月、アプリリリース直後にABEMAで放送されたスタジオライブでもいち早く披露され、話題になった一曲である。

 ヒプマイにおいては音楽が物語を、物語が音楽を相互的に補完しあっているが、この曲でもそれは顕著だ。アプリ『ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-』では、各ディビジョンごとにシナリオが用意されている。この「Survival of the Illest」の曲構成も、それぞれのシナリオのオープニングに対応するよう、ディビジョンごとにパートが分かれているのが特徴的。各パートのアレンジにも、それぞれのディビジョンのカラーがあらわれている。これまでの楽曲にあったような個性豊かな自己アピールや、バトル要素の強いリリックは健在。ゲームからヒプマイに触れた人も、この楽曲を聞き込めばそれぞれのキャラクターの個性や、ディビジョンの色が理解できるだろう。

ゲームアプリ「ヒプノシスマイク -Alternative Rap Battle-」OP曲『Survival of the Illest』

 ゲームの中心に据えられている“オルタナティブ・ラップ・バトル“の特徴であるエンタメ要素の強さが、この曲にも反映されているのも興味深い。〈さあご一緒に〉〈Rhyme and Beat Flow and You 欠かせない And you〉〈Witness〉と、第三者の存在を強く感じさせる言葉がちりばめられているのは、プレイヤーの存在によって物語が進行するゲームの楽曲という特性からだろう。ヒプノシスマイク流のパーティーチューンとも言える、絶妙なカジュアルさを演出するのに一役買っているように思う。

 だが続く〈City‘s on fire〉というフレーズは、「熱狂している」という比喩表現にもとれるが、シンプルに「燃えている」という意味にもとれる。さらに〈誰が一番Wicked これはもう事件 必見〉と続くあたり、どこかダークなムードが漂っている。この二面性もヒプマイらしい。

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