ヒプノシスマイク、「Survival of the Illest」から感じる新章への期待 各ディビジョンの個性光るパーティーチューンを聴き解く

 サウンド面では、トレンドを折り込みながらも、声優陣の声の良さやキレの良いラップを最大限に活かしたアレンジがなされており、「声優とヒップホップ」というコンセプトを際立たせている。トリッキーな連符を多用したフロウがよく映える、印象的なベースラインが曲の中心となり、各ディビジョンの個性をまとめ上げている。音数はシンプルながら厚みを感じさせる心地良いトラックだが、一方でサイレン音や銃声、爆発音のようなアレンジなど、作品の世界観やストーリーとリンクした物騒な音も盛り込まれている。リリックと共に、これから始まる物語への期待や深読みを煽るギミックも心憎い。つまり「Survival of the Illest」は、“期待“をさせるパワーのある、オープニングテーマとしては理想的とも言える魅力を持った楽曲なのだ。

 コンテンツのファンのみならず、音楽ファンをも魅了してきたヒプノシスマイク。今後も音楽とキャラクターが紡ぐ物語と、その新たな可能性に注目していきたい。

■草野英絵
ライター。アニメ、ゲームなどのエンタメ記事を中心に雑誌・WEBで活動中
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