謎多き新世代ロックバンド WEAKEND WALKERとは? TAKU INOUEプロデュースの新作『黒点』をふくりゅうが全曲レビュー
昨今、音楽シーンで話題といえば、世界へ響くムーブメントとなりつつある、ずっと真夜中でいいのに。、ヨルシカ、YOASOBI、yama、くじら、BIN、ツユなど次世代アーティストの躍進だ。日本語で歌われるポップスでありながら海外からの注目も集めるという、優れた才能がアンプリファイドされるネットワーク化されたカルチャーの革新。もはや、国内の限定的なジャンルワードであった“ネット発アーティスト”という枠に収まらない人気を獲得しつつある。いわゆるTikTokのバズから発見され、YouTubeやLINE MUSICリアルタイムランキング、Spotifyバイラルチャートなどストリーミングサービスによって人気が可視化されていくという新方程式。そんななか、次なるヒットに最も近い存在が“WW=ダブダブ”こと新世代ロックバンド・WEAKEND WALKERだ。
すでに、今年早々に音楽プロデューサー・今井了介氏がMCを担当したNHKラジオ第1の音楽番組『ミュージック・バズ』で紹介されるなど、アンテナを張っている早耳リスナーに発見されはじめている逸材だ。注目すべきは、没入感の高いポップアート的な作品が解き放つとろけるように耽美な魅力、TikTokやYouTubeなど細やかなSNS運用によって得たエンゲージメント、アーリービリーバー(耳の肥えたコアな音楽ファン)となるコアファンとともに築きあげてきた良質なファンダムだ。コロナ禍においても、YouTubeチャンネルでの生ライブ配信を成功させるなど次なるアクションに期待が高まる。
WEAKEND WALKERは2019年9月19日、ボーカルSiNの二十歳の誕生日に結成された。物語が浮かぶ圧巻のストーリーテリングによって、ネオ・トウキョウ・シーンを騒つかせるネットネイティブな新世代バンドだ。メンバーは、一聴して記憶に残る魅力的な歌声に評価高まるSiN(Vo)、テクニカルなギターでフォロワーを魅了するteppe(Gt)、ベースプレイはもちろん、ビジュアルデザインやムービーエディットなどクリエイティブを多彩に支えるtaichi(Ba)という個の連帯で繋がる才能豊かな3人組だ。