メジャー1st EP『ORANGE』インタビュー
TAEYOが『ORANGE』で表現した“ありのままの自分” ラップ、サウンド、仲間……5つのエレメンツからの影響も語る
TAEYOをつくる“5つのエレメンツ”
ーーここからは「TAEYOをつくる5つのエレメンツ」というテーマで質問していきたいんですが、1つめの要素は「ラップ」です。影響を受けたラッパーは誰ですか?
TAEYO:影響というか、最初に喰らって、「このラップ、カッケーな」と思った日本人はQNくんとSEEDAさんですね。SEEDAさんは『GREEN』を先輩に貸してもらって聞いてブッ飛んで。QNくんはYouTubeを漁ってて、たまたま「Better feat. RAU DEF, MARIA」を聞いて、ヤバ! となって。
ーーそれがいくつのときですか?
TAEYO:21とか22くらい。日本語ラップは触れる機会がなかったので、知ったのは遅かったんです。その頃出てきたFla$hBackSにもトバされましたね。同い年なんだ、ヤベーみたいな。
ーーラップのリリックは、どういうときに書くことが多いですか?
TAEYO:僕、普段リリックを書けないんですよ。制作する段階になってからスタジオに行って書くか、スタジオに向かうバスの中で書くかどっちかですね。家とかではあまり書かない。
ーー言葉やフレーズをメモすることは?
TAEYO:それもないんです。たまーに、ホントひと言くらいメモりますけど、リリックみたいなのは書いたりしない。制作モードに入らないと書けないんです。
ーーじゃあ、音からインスパイアされることが多い?
TAEYO:そうですね。音を聞いてるうちに、断片的に言葉が出てきて、そこから記憶を漁って、テーマを見つけて、自分の中でストーリーをつくるというか、言葉を縫い合わせていく感じ。だから、友達と遊んでるときにリリックが浮かぶとか言う人はうらやましいです。俺は日常が淡々としているのかもしれないけど(笑)。
ーー2つめの要素は「サウンド」です。TAEYOをつくるサウンド/音楽は、どんなものだと思いますか?
TAEYO:ブラックミュージックですね。小学生のときにJ-WAVEをずっと聞いてて、自分でCDを最初に買ったのはBlack Eyed Peas。そこからLauryn Hill、Kanye West、Jay-Z。そこからちょっと経って、Ne-YoとかRihanna、UsherとかのR&Bを聞き始めて。あとNorah JonesとかStingとかも好きでした。日本人で最初にCDを買ったのはDef Tech。そこからwyolicaとかLOVE PSYCHEDELICOとかCharaとか。基本的に女性アーティストが多いかもしれない。
ーー特に好きなR&Bアーティストを3人挙げると?
TAEYO:最近の3人だったら、LloydとJacqueesとTory Lanezかな。Tory Lanezは、毎回ミックステープでヤラれちゃいます。
ーーTory Lanezの最新ミックステープ『Chixtape 5』では、TAEYOくんが好きそうな2000年代R&Bヒットをご本人登場スタイルでサンプリング/カバーしてましたからね。
TAEYO:そう! 客演とかマジで神。最近、2000年前後の曲をサンプリングしている新しい人たちが結構いて。
ーーSaweetieとかMegan Thee Stallionとか。
TAEYO:BROCKHAMPTONも「SUGAR」のRemixでUsherの「Nice & Slow」を使ってたり。ああいうのはグッと来ちゃいますね。
ーー3つめの要素は「ファッション」です。TAEYOくんはモデルもこなしますが、ファッションに対するこだわりは?
TAEYO:ファッションのこだわり? お洒落に見られたくないっていうことですかね。
ーーファッション上級者が一周回って言いそうな答えです(笑)。
TAEYO:違う、違う(笑)。お洒落じゃないからお洒落に見られたくないんです。洋服にお金をかけてるわけじゃないし、好きなモノを着ているだけなんで、お洒落だと見られたくないんですよ。お洒落という情報が先にあると、こういうインタビューでもつま先から頭のテッペンまでチェックされるじゃないですか。それも嫌だし。
ーー洋服を買うときの譲れないポイントってありますか?
TAEYO:基本的にラクなものしか着ないです。スウェットとかパーカばっかだし。ジャージ超好きだし。普段はジャージしか穿いてない感じ。
ーーということは、生地や素材にはこだわる?
TAEYO:そうかも。安っぽいジャージはあんまり穿かないし、試着は絶対します。サイズも気にしちゃうし。最近はそれこそ2000年代の西東京ヴァイブスヤンキーが大好きで(笑)。普段そういう格好ばっかりしてます。オラオラ系じゃないんだけど、ドンキにいるヤツの最強版みたいな(笑)。そういう感じが好きですね。
ーー次の要素は「仲間」です。これまでにコラボ作品もたくさん作ってきていますが、「仲間」とはどういう関係性が理想ですか?
TAEYO:どこまで言っても俺は仲間に自慢されたいだけっていうか。仲間とか友達とか家族の、いちばん自慢できるヤツになりたいっていうのが一生の目標なんです。それこそラップを始めたときからめちゃくちゃ周りに言われていて。イベントに出してくれるヤツとかが、「お前絶対売れるから」って言って出してくれたりとか。俺のことを信じてくれていたし、そういうヤツが自慢出来る人間/アーティストになりたいですね。
ーーTAEYOくんにとって、仲間とはどんな存在でしょうか?
TAEYO:なんだろうなぁ……でも今いる仲間は俺のことをいい意味で何とも思ってないというか。何かを出したときに誉めてくれたりはするけど、素の俺を知ってるから何でも言ってくれるし、いじってくれるし。何とも思ってないからこそ、初心を忘れさせないでくれる存在ですね。
ーーここまで4つのエレメンツを聞いてきましたが、5つめの要素としてTAEYOをつくるカルチャーはなんですか?
TAEYO:お笑いですね。大好きです。ここまでの4つより好き(笑)。
ーーお笑い番組を観るのが好きなんですか?
TAEYO:芸人さんが好きです。芸人さんをリスペクトしてるので。もちろんお笑い番組も観ますし、コントも漫才も大好きだし、最近はあまり行ってないですけどライブに行ったりもしてました。
ーー今、ハマっている芸人さんは?
TAEYO:天才だなと思うのは「ニューヨーク」。最近マジすごいなと思うのは「そいつどいつ」とか「見取り図」とか。
ーーチェックするのは、NEXT第七世代などと呼ばれてる世代が中心ですか?
TAEYO:先輩芸人さんとかベテランさんはあまり見ないですね。若い芸人さんたちのネタ動画をYouTubeでチェックしたり。あと、彼らのラジオ番組とかも好きで聞きます。
ーーいつか芸人さんと共演できるといいですね。
TAEYO:でも、お笑い番組だと芸人さんがコメントを拾ってくれて絶対面白くしてくれるので。その前にまずは『王様のブランチ』とかに出られるようになりたいですね。ゲストで出たときに自分がどれだけ面白いことを言えるか試したい。最終的には『アメトーーク!』とかで爪痕を残せるよう、頑張ります(笑)。
■リリース情報
Major 1st EP『ORANGE』(読み方:オレンジ)
7月15日(水)発売
・価格:¥1,500(+税)
・形態:CD Only(6曲入り)
<収録曲>
M1.Intro(Prod. BACHLOGIC)
M2.Let me down(Prod. Chaki Zulu)
M3.All I have(Prod. CELSIOR COUPE)
M4.Calm(Prod. CELSIOR COUPE)
M5.ORANGE(Prod. CELSIOR COUPE)
M6.Alright(Prod. BACHLOGIC)
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