eill、CIRRRCLE、Taeyoung Boy、SIRUPが躍動 『Spotify Early Noise Night vol.9』

『Spotify Early Noise Night vol.9』レポ

 世界で1億9,100万人以上の音楽リスナーが利用する音楽ストリーミングサービス、Spotifyが主催する新人フックアップイベント、『Spotify Early Noise Night vol.9』が11月14日に代官山/渋谷・SPACE ODDにて開催された。

 Spotify Japanが運営する公式プレイリスト「Early Noise Japan」と連動し、国内の若手にスポットを当てる本イベント。過去には向井太一、あいみょん、STUTS、SUSHIBOYSなど、ジャンルやシーンを越えて様々なアーティストが出演を果たしてきた。今回で9回目の開催ということもあり、平日に気軽に足を運べるイベントとして、音楽リスナーへの認知も大分浸透してきたのではないだろうか。

 東京開催時ではもはやお馴染みの、オーディエンスがアーティストの周りをほぼ360℃囲うセンターステージに1番手として登場したのは、10月にデビューミニアルバム『MAKUAKE』をリリースしたミステリアスなシンガーソングライター・eill。ギター、ベース、シンセをバックに従えての編成で、1曲目は「special girl」でしっとりとスタートしたかと思えば、「改めましてeillです! 今日は楽しんでいきましょう!」とMCを挟み、「MAKUAKE」でギアを入れ替える。LUCKY TAPESの高橋海がプロデュースを手がけた「HUSH」は、ドリーミーな原曲とは異なりファンキーなギターとウネるベースラインでオーディエンスを横に揺さぶる。韓国のシンガー・K.vsh参加曲「ONE」もエモーショナルなギターが前面に出たアレンジで新たな表情を見せてくれた。最後は「MAKUAKE」の次の景色を歌う「FUTURE WAVE」でステージを後にした。

 オフィシャルメディアとして本イベントに参加するSpincoasterクルーによる転換DJを挟み、2番手として登場したのは3人組の国際派ヒップホップクルー、CIRRRCLE。今年4月にリリースした「Watch」がSpotify Japanのバイラルチャートで1位を獲得。同じく8月にリリースした「Fast Car」は、Spotifyグローバル版の公式プレイリスト「New Music Friday」に選出。日本のインディペンデントなアーティストとしては異例の事態として、急速的に注目を集めることになった。ステージに登場するや否や、AmiIdeとJyodanのふたりによる滑らかかつ軽快なフロウ、そして堂々たるパフォーマンスで会場の空気をガラリと塗り替える。トラップ〜ジューク/フットワークまでを横断しつつ、現行のシカゴヒップホップ勢ともリンクするような風通しのいいトラックには、独創性の高さとキャッチーさが同居している。「Talk Too Much」ではMVにも出演しているダンスクルー、GANMIのメンバーも登場。パワフルなダンスで会場を沸かした。

 続いて「What's up! Spotify!」と初っ端からアクセル全快で登場したのは、東京を中心としたヒップホップシーンにおいて、様々なアーティストの作品に客演参加するなど、メキメキと頭角を現してきたTaeyoung Boy。今夏リリースの新作EP『GIRL』や謎多きプロデューサー・Droittte(ドロワット)とのコラボ名義でのアルバム『SWEAR』からの曲を立て続けに披露。途中、Teyoung Boyの「日本を代表するプロデューサー」という紹介でステージに表れたのは、BAD HOPやSKY-HI、kiLLaなどへの楽曲提供でも知られるDJ/プロデューサーのKM。シンセとパッドでトラックに華を添えつつ、Taeyoung Boy参加曲「Distance」を共にプレイ。生の演奏が加わることで、よりグルーヴに磨きがかかる。また、彼が一躍注目を集めるキッカケとなった「Fault」には大胆なリミックスが施されており、ダンスホールのようなバウンシーなビートが強調された構成は、まさしくライブ仕様。会場の熱気をグングン上昇させ、ラストのSIRUPへとバトンを渡した。

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