佐藤結衣の「K-POPメンバー図鑑」Vol.19
SHINee 笑顔と美声で包みこむオンユ、グループの“キーマン”キー…周囲から愛されるメンバーの魅力を改めて振り返る
SHINeeを体現するキーマン・キー
SHINeeの持つファッショナブルな印象を作っているのは、きっとキーの存在が大きい。楽曲ごとに大胆なイメージチェンジを行ない、ファンを楽しませてきた。また、Instagramなどで披露される私服もセンス抜群で、ファッショニスタとしての地位を確立。そのファッションへのこだわりは、SHINeeのコンサート衣装をプロデュースするまでになった。
多くのデザイナーとコラボして、メンバー1人ひとりが持つ魅力を最大限に活かす形でデザインが異なる衣装を発表。それぞれ個性的なはずなのに、全員が揃うと統一感が出るという絶妙なバランスは、SHINeeを愛するキーの想いが投影されているからだろう。
また、繊細で人間的な性格もSHINeeの持つ雰囲気と共鳴しているように見える。15歳で事務所のオーディションに合格したキーは、ソウルとテグ(車で3〜4時間ほど、高速鉄道で約2時間)の距離を通いながら、練習生生活を送っていたという。できなかった悔しさを1人で抱え、帰り道で涙を流していたというエピソードも語られている。
しかし、「そんな涙の日々があったからこそ今の自分がある」とキーは言う。日本語も英語も勉強し、グループで最も話せるようになった。韓国以外のファンが増えていったのもキーの努力があったからだろう。
少し低めのエッジのきいた歌声も、唯一無二の響き。柔らかな声質が多いSHINeeの中で、ピリッと辛めのアクセントになっている。アイドルらしい親しみやすい魅力を持ちながら、可愛らしいだけではないアーティスティックなビジュアルと、ソリッドなサウンド。そんなキーが醸し出す空気感こそが、SHINeeらしさを形作っているように見える。