BTS、音楽活動への“チーム”としての向き合い方 世界的な人気や互いへの思いも語ったインタビュー映像を観て

 一方で、「パフォーマンスの時に大事にしていること」という質問に対しては「昔も今もパフォーマンスに対する欲は変わらない」「その時その時に全力投球」「感情を大事にしている」という回答の一方で「今はまだ、ただ楽しみたい」(V)、「もともと詩や文章を書くことから始めたので、歌詞を大事にしている」(RM)という対照的なものや、「自分たちがやっているのはポピュラー音楽なので、特にリード曲には大衆ウケしそうな要素を必ず入れるでしょう」(SUGA)という、俯瞰した冷静な話も出ていた。「印象に残った話」というテーマで多くのメンバーが受賞や大きなステージに立った瞬間を話す中、Vのように「『Danger』のMV撮影の時、カツラの髪を切ろうとして間違えて自分の髪を切ってしまったのがショックでよく覚えている」というようなエピソードが出てくるのも、仕事の面では方向性が一致しているが、キャラクターの面では各人の個性が際立っているという現状を表しているようだった。

BTS (방탄소년단) 'Danger' Official MV

 「今では一緒にいることが当たり前になってしまった」「家族より長く一緒にいるので、一緒にいるだけで気持ちが落ち着く」とも語っていたが、個性の違うメンバーが集まればなおさら、時には性格が合わないと感じたり衝突することもあるだろう。そのような「人と人」としての関係性に独自の濃厚さが出てくるところは、海外生活や共同生活の時間が長くなりがちなK-POPグループ特有の長所でもあり、問題が出やすい部分とも言える。しかしそのような状況においても、仕事の上で「チーム」として同じ方向を向き続けることができれば、それが人間関係にとっての処方箋や潤滑剤にもなりうるだろう。長期間続いているグループは良い歯車の噛み合い方ができていることが多いが、それは特に今のBTSからも強く感じられる部分ではないだろうか。

■DJ泡沫
ただの音楽好き。リアルDJではない。2014年から韓国の音楽やカルチャー関係の記事を紹介するブログを細々とやっています。
ブログ:「サンダーエイジ」
Twitter:@djutakata

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