堂本剛流ファンクを味わい尽くす KinKi Kids『KANZAI BOYA』とENDRECHERI『LOVE FADERS』に表れたユニークな作風

ENDRECHERI『LOVE FADERS』(通常盤)

 一方、同日にリリースされた『LOVE FADERS』ではもっと多彩なサウンドが展開されている。ファンクを軸としながらも、このジャンルが持つ多様性が一枚に凝縮されたようなアルバムだ。食のモチーフとセクシュアルなメタファーが絡み合う官能的な「Butter」や「CREPE」、ファンからの要望でつくられた筋トレミュージックの「Kun Kun Yeah! ~Muscle Commander~」など、詞や楽曲のコンセプトに身体性が強く現れているのが印象的でもある。特に「Kun Kun Yeah!」で中盤にBPMがハーフになるあたりでは、「ああ! 効いてる!」という気になってくる。実際にはデスクに向かって曲を聴いてるだけだったんだけれども……。

 個人的には、Sly & The Family Stone「If You Want Me To Stay」のコード進行を下敷きにした、いなたさと洗練が入り交じる「此れ 其れ」のメロディアスな味わいがやはり極上だ。また、ディアンジェロ的な隙間の多い繊細なグルーヴと渋いメロディで5分間を引っ張る「I’m just me」では、ENDRECHERI率いるバンドの演奏力をじっくりと楽しめる。このあたりが白眉と言えよう。

 ちなみに『LOVE FADERS』は限定版A・Bとオリジナル版の3種があり、それぞれ収録曲や収録順が異なる(ここまで言及した楽曲はすべて共通の収録曲だ)。しいて言えば、オリジナル版のボーナストラックとして収録されている「Oh…」と「あなたへ生まれ変われる今日を」のバラード2曲は堂本剛の歌声の魅力が堪能でき、ぜひ聴いてみてほしいところだ。

 冒頭で述べたように、「KANZAI BOYA」及び『LOVE FADERS』のリリース日にはENDRECHERIの過去3作品が各サブスクプラットフォームにて解禁された。ここ数年、フェス出演などを通して既存のファンベースの外にもその音楽がリーチしだしていたENDRECHERIだが、これでいっそう触れやすくなったのがうれしいところ。もし気になっている人がいれば、まずはそちらから気軽に聴いてみるのもいいかもしれない。この機会に、堂本剛=ENDRECHERIのユニークな活動がさらに広まることを期待したい。

ENDRECHERIのトップトラック

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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