『あくびをすれば』インタビュー
結成5周年のフレンズが語る『ハクション大魔王2020』EDテーマで再認識した“本質” 積極的な動画配信への思いも
動画配信への思い「何が起きても順応していけるようにはしたい」(ひろせひろせ)
ーー最近フレンズは、YouTubeなど動画コンテンツにも力を入れていますよね。
ひろせひろせ:以前、『コン・パーチ!』(2018年)をリリースした時に特典映像として付けたことはあったのですが、オフィシャルのライブ映像って今まであまり発表してこなかったんですよね。僕らのライブを家でも楽しんでもらうために、そうした映像を発表するのと同時に、もっと画期的な試みをしていきたいとも思っていて。
ーー例えば、えみそんさんが博多弁で歌う「NIGHT TOWN 〜博多弁ver.〜」や、三浦さんが歌う「夜にダンス 〜長崎の人にしか伝わらないかもしれないver.〜」がそうですよね。どちらもとても楽しかったです。
えみそん:嬉しいです(笑)。「NIGHT TOWN」の博多弁は、太郎くんと太郎くんのお友達が考えてくれて。
三浦:僕は(長崎県)佐世保出身なのですが、上京する前は福岡に8年住んでたんです。「夜にダンス」の方は、公開したタイミングで地元の友達から「なんであの駄菓子屋が入ってないんだ」みたいなクレームがたくさん来ました(笑)。
ひろせひろせ:コメント欄を読んだら「関西弁も作ってください」とか、「播州弁もお願いします」とか来ていましたね、ちょっとそれはムズい(笑)。ただ、こういうのってファンの中には嫌がる人がいるのかなと少し心配していたんですけど、みんなめっちゃ喜んでくれて。少し前にONE OK ROCKが 「完全在宅Dreamer」(「完全感覚Dreamer」の自宅パフォーマンスVer.)という、自分たちの楽曲を家の中にある道具だけで演奏するMVを作っていて。歌詞も〈家にいる事が僕のすべてさ〉と歌っていたんです。ひょっとして、僕らがやってることを意識しているのかなって……。
三浦:絶対そんなわけない!(笑)
ひろせひろせ:冗談です(笑)。でも、こういうユーモアはみんなが楽しんでくれることを、彼らのMVを観て確信しましたし、自分たちがやっていることへの自信にも繋がったんですよね。「ワンオクみたいなすごいバンドも、こういうことやってるんだ」って。もちろんふざけ過ぎないよう、ちゃんとフレンズのファンが喜んでくれる範囲のところで面白いことを色々試していきたいです。このインタビューを読んで「こういうことをやってほしい」っていうのがあったら是非、Twitterのフレンズ公式アカウントにリプを飛ばしてください(笑)。
ーー配信のコンテンツも、趣向を凝らしたものがこの自粛期間にどんどん生まれていますよね。ワンオク以外に何か気になった作品はありましたか?
ひろせひろせ:YouTuberのすしらーめん《りく》が、自分の体から出る音だけでビリー・アイリッシュの「Bad Guy」を演奏している映像(『【Billie Eilish - bad guy】俺から出る音だけで完全再現するチャレンジ』)が面白かった。あれを観ていたら、例えばフレンズの「iをyou」を、料理好きの塁さんが料理道具だけでリズムを作ってもらうのもありかなと(笑)。あとは、ゾンビ好きのえみそんによる『バイオハザード』のゲーム実況とか、一体どうなるのか観てみたいです。
えみそん:ゾンビが出てきたら向かって行っちゃう可能性がありますね(笑)。
ひろせひろせ:先日、コロコロチキチキペッパーズのナダルさんから「コラボ企画とかあったら、ぜひ呼んでください」と言ってもらったので、釣り好きの涼平さんと2人で釣りをやってもらうのも面白いかも。今は「密」になるのはマズイので、リモートでやるとかどうですか?
長島:リモートで釣りして何が面白いんだよ!
一同:(笑)
ひろせひろせ:バンドとしての軸は、ブレないように気をつけつつ色々やってみたいですね。コロナが落ち着いてからも、自分たちのペースを崩さない範囲で続けていけたらいいかなと。
ーー今回、Little Kissの「A.S.A.P.」のカバーを取り上げたのは、どういう経緯だったのでしょうか。
ひろせひろせ:以前、ブラックビスケッツの「タイミング〜Timing〜」をカバーしたことがあって、シングルにカバー曲を入れるのをお決まりにしたら面白いかなと思って。それで今回は、えみそんが好きなLittle Kissを選曲しました。もう、えみそんが工藤静香さんになりきってて最高でしたね(笑)。好きなのがダイレクトに伝わってくるし、カバーして良かったと思っています。
ーー以前えみそんさんにインタビューしたとき、子どもの頃から野猿のような、テレビ番組の企画で生まれたグループが大好きだったと話していましたよね。
えみそん:そうなんです。芸人さんや女優さんのような、歌を専門としていない人ならではの初期衝動の歌い方がグッとくるというか。特に「A.S.A.P.」は、発売当時に短冊(8センチCD)で買って以来ずっと好きです。高校生の頃からカラオケに行けば、必ず友人と歌っています。その時はもっと静香さんに寄せて歌っているんですけど、今回はえみそんオリジナリティと静香さんのバランスを意識しつつ歌わせてもらいました(笑)。
ひろせひろせ:今回、石橋貴明さんのパートを僕が歌うことになって、改めて聴いてみると、石橋さんの「味のある歌い方」がめちゃめちゃよくて。きっと、あの頃の石橋さんは超多忙で「歌録り、2時間しかないから」みたいなスケジュールの中で歌われたと思うんですよ。きっと今聞いても「いつ、どうやって歌ったか覚えてない」とおっしゃるんじゃないか? というくらいの時期だったはずなのに、あんな歌が歌えるのはすごいなって。石橋さんレベルに少しでも近づけるよう、頑張って歌いました。
ーー最後に改めてお聞きしますが、「アフターコロナ」の世界でフレンズはどのような活動を展開していきたいですか?
ひろせひろせ:こればっかりは予測できないことの方が多いですけど、何が起きても順応していけるようにはしたいと思っていますね。「何もできません」と言われたときに「そっか、残念……」と思って諦めてメソメソしているよりは、「じゃあ、そんな中でフレンズなら何ができるのかな?」とフレキシブルに考えられるような状況を、チーム一同で作っていきたいとは思っていますね。
えみそん:私自身は新しいことをするのがすごく好きなので、ひろせと同じく変化に順応して色々やっていきたいです。ただ音楽は音楽であって、いくらやり方が変わっても自分たちがやりたいことや作りたい曲の根本は変わらないので、そのまま突き進んでいきたいなと思っています。
三浦:アフターコロナで色々なことが変わっていく反面、その反動で元に戻るものもたくさんあると思うんですよね。もちろん、ライブがどうなるかとかは全くわからないですけど、僕らとしては楽しいことをして、いいものを届けるということがエンターテインメントの本質だと思うので、そこを忘れずにしたいです。
ーー「あくびをすれば」の歌詞に〈行動できる強い気持ちを持って/生きていたいんだ〉というフレーズがあります。フレンズは新しいことにも果敢に挑戦していく姿勢をずっと持ち続けているバンドだと思うのですが、アイデアを行動に移す“強い力”はどこから生まれるのでしょうか。
えみそん:一言で言うと、どんなに悲しい曲でも辛い曲でも、楽しい曲でも応援歌でも、最後は「笑顔」だと思っているんですよね。私たちの音楽を聴いてくださった人たちの笑顔だったり、文字から伝わってくる嬉しさや感動だったり、そういう“揺さぶられた心”に触れるために頑張りたいと思う気持ちが原動力なのかなと、今お話ししていて思いました。そして、フレンズを見て元気になってくれた人たちと同じように、まだ出会ってない人たちともこれから出会っていきたいし、その輪を広げていきたいという気持ちが新しいことに挑戦するための力なのだと思います。
■リリース情報
『あくびをすれば』
発売日:2020年6月17日(水)
<通常盤>(初回仕様限定デジパック)
価格:¥1,500(税抜)
M1.あくびをすれば
M2.A.S.A.P. (フレンズCover Ver.)
M3.あくびをすれば(神泉Ver.)
M4.あくびをすれば(音を楽しもうVer.)
<アニメ盤>(期間限定デジパック) AICL-3812 ¥1,500+税
M1.あくびをすれば
M2.あくびをすれば(TV Edit)
M3.あくびをすれば(神泉Ver.)
M4.あくびをすれば(音を楽しもうVer.)
購入情報:
タワーレコード
Sony Music Shop
<期間生産限定盤>
タワーレコード
Sony Music Shop
■配信情報
「あくびをすれば」配信中
配信
■タイアップ詳細
番組名:読売テレビ・日本テレビ系TVアニメ『 ハクション大魔王2020』
放送日時:毎週土曜日夕方5時30分~(初回放送は4月11日(土))
※一部地域を除く
エンディングテーマ曲:「あくびをすれば」
公式HP
(C)タツノコプロ・読売テレビ ハクション大魔王2020
■関連リンク
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