マイヘア、OAU、PELICAN FANCLUB、フレンズ、キノコホテル……個性あふれるバンドの新作

 奔放な創作意欲を叩きつけるように音源に刻み込んだMy Hair is Badのニューアルバム、超話題のドラマ&映画の主題歌をコンパイルしたOAUのニューシングルなど、個性あふれるバンドの新作を紹介。こちらの予想を遥かに超えるような飛躍を遂げた充実作、衝撃作ばかりだ。

My Hair is Bad『boys』(通常盤)

 赤裸々という言葉では間に合わないくらい“感情そのまま”の歌、ライブの空気感を直接刻み込んだかのようなバンドサウンドを両軸にした前作『hadaka e.p.』のリリース後、間髪入れずに制作に入り、あふれ出す創作意欲をどこまでも奔放に注ぎ込んだ4枚目のオリジナルフルアルバム『boys』は、一瞬一瞬カタチを変えていく刹那的な感情、大切な人との肉体的な交歓と切ない別れ、そして、この先の未来に対する不安、希望、葛藤などを生々しく映し出した、“これぞマイヘア!”を更新する作品となった。ちょっとでもボンヤリしていると、瞬く間に忘却の彼方へ過ぎ去ってしまうあらゆる出来事を、できるだけそのままの姿で残しておきたいーーこのバンドは本気でそう願っているのだと思う。夏が始まる前に、ぜひ。

My Hair is Bad – 君が海
OAU『帰り道 / Where have you gone』(初回生産限定盤)

 現在、大きな注目を集めているドラマと映画の主題歌2曲を収めた両A面シングルであるOAUの『帰り道 / Where have you gone』。西島秀俊、内野聖陽の好演が光るドラマ『きのう何食べた?』の主題歌「帰り道」は、アイルランド音楽のテイストを取り入れたオーガニックなサウンドとともに、〈思い出してよ/おかえりの//声が聞こえた日のことを〉というフレーズが広がるミディアムチューン。日常の幸せの素晴らしさ、かけがえのなさを普遍的なメッセージへと昇華した楽曲だ。東京新聞・望月衣塑子の著作を映画化した『新聞記者』の主題歌「Where have you gone」はブルースを基調にしたアレンジと壮大なメロディラインがひとつになったナンバー。細美武士の声も重なる〈Where are you gone(あなたはどこに行ったのか)〉という切実な響きを、権力と報道をテーマにした映画とともに噛みしめてほしい。

OAU「帰り道」

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