メジャーデビュー15周年のDEPAPEPEが愛され続ける理由 最新アルバム『Seek』でも“歌のない歌モノ”で広がる想像力

DEPAPEPEが愛され続ける理由

 そして、前作から3年ぶりとなる9枚目のアルバム『Seek』である。本作のタイトル『Seek』には、「まだまだ道の途中、音楽を探し続けている」という意味を含んでるそうで、ジャケットは“光と影”をモチーフに初のモノクロ。さらに、罪という意味のリード曲「GUILTY」は、15年目の彼らがこれまで表現してこなかった、「光が作った影の部分」を落とし込んだ楽曲となっている。色彩にあふれた前作とは対をなすアルバムのように感じた。表と裏、陰と陽、そして、“家(うち)”から“内(うち)”へ。DEPAPEPEは「GUILTY」について、「元気が出て背中を押されるというよりかは、自分自身と向き合う。という曲です」とコメントしているように、彼らがギターで紡ぐ歌が照らしてくれるのは、リスナー一人ひとりの心象風景だ。今の自分はどんなことを感じているのか。自分にとっての本当の幸せとは何か。愛ってなんだろう。孤独、葛藤、迷い、不安、喜び、怒り、哀しみ、楽しさ……。家族や友人、大切な誰かの顔が思い浮かぶ人もいるかもしれない。

DEPAPEPE 『GUILTY』

 筆者は、鬨(とき)の声をテーマにしたという「War Cry」でスペインの海岸に連れていかれ、カントリーポップ「桜の頃」では穏やかな陽射しを感じ、「空に描いて」では鳥の鳴き声に微笑み、「儚げな魚をイメージした」というトロピカルハウス寄りの「水に揺らめくフィッシュテイル」では、波に揺られて海釣りに向かう徳岡の姿が見えた。“歌のない歌モノ”は想像がどんどん広がっていく。空想は自由で、正解も不正解もない。目を閉じて、プレイボタンを押し、DEPAPEPEが奏でるギターのフレーズと共に、自分の心の奥底へ。あなたには何が見えましたかーー。

DEPAPEPE『Seek』

■永堀アツオ
フリーライター。音楽雑誌「音楽と人」「MyGirl」、ファッション雑誌「SPRiNG」「Steady」「FINEBOYS」などでレギュラー執筆中。「リスアニ!」「mini」「DIGA」「music UP’s」「7ぴあ」「エンタメステーション 」「CINRA」「barks」「EMTG」「mu-mo」「SPICE」「DeVIEW」などでも執筆。

DEPAPEPE『Seek』

■リリース情報
New Album『Seek』
Now on sale!
初回生産限定盤(CD+Blu-ray)SECL-2563〜2564 ¥4,000(tax in)
通常盤(CDのみ)SECL-2565 ¥3,100(tax in)

<収録曲>
-CD-
1.GUILTY
2.in your eyes
3.War Cry
4.桜の頃
5.Love Letter feat.三浦一馬
6.a log
7.She
8.空に描いて
9.水に揺らめくフィッシュテイル
10.School days
11.nite nite…zzz
12.The next world (bonus track)
13.Last Dinner (bonus track)

-特典BD- メジャーデビュー15周年記念インタビュー&ドキュメント
1.Documentary -Seek for DEPAPEPE- (23min)

オフィシャルウェブサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる