神宿 塩見きら、作詞に込める“ありのままの自分”と創作への熱量「SNSに可愛い自撮りを上げたから動員が増えるとは限らない」

神宿 塩見きらが語る、創作への熱量

「自分の良さはここなんじゃないか」

ーーそんな神宿に今後必要なのはどんなことだと思いますか?

塩見:メンバー1人ひとりが自分のことを理解することがすごく大事なんじゃないかな。1年前の私は自分のことを何もわかっていなかったけど、今は少し見えてきた部分があるし、それはほかのメンバーに対しても感じていて。メンバーそれぞれが自分のことをどんどんアピールできるようになることが、これからは大事になるんじゃないかなと思います。

ーーその「少し見えてきた部分」というのは、塩見さんにとってどういうものですか?

塩見:神宿加入当初は自信のない自分に共感していただいていたところが正直あったのかなと思うんですけど、活動を続ける中でどんどん「文章がいいよね」と言っていただいたり、こういうインタビューをする場にも呼んでいただけることが増えたり。そういう意味で、「自分の良さはここなんじゃないか」というのが見つけられた1年だったのかなと思います。

ーー神宿に入る前は、そういう個性や強みは見つけられていなかった?

塩見:全然わからなくて。自分のことも嫌いだったし、良さなんてまったくわからなかったんですよ。そういう自分を変えたくて、アクションを起こしたわけで。私の場合はアイドルが好きだったから、こういうアクションだったんです。

ーーアイドルの皆さんにオーディションを受けたきっかけを聞くと、よく「自分を変えたかった」「自分には何もないから、何かを見つけたかった」という答えが返ってきますよね。

塩見:もがきながら正解をどんどん見つけていくような成長ストーリーに惹かれるところはあると思うし、その過程が見ている人の共感につながるのかな。私の場合も1年前に加入してから今日までの成長を、私のファンの方には楽しんでいただいていると思うし、そういう自分の頑張っている姿や成長を見届けていただきたいなって思うし。だって、アイドルと応援する側では立場は違うかもしれないけど、みんな同じ人間ですし、私が日々悩んでいるようにファンの方も同じように悩んでいると思うんです。私もアイドルのそういう姿に共感を覚えたし、頑張っている姿に勇気付けられたので。それと同じことを今、ファンの方からよく言っていただくので、アイドルってそういうものなんだろうなと思います。

神宿がみんなの居場所であり帰る場所でありたい

塩見きら - 空も飛べるはず (スピッツ) COVER

ーーここ数カ月は新型コロナウイルスの影響で、ライブなど表立った活動が思うようにできていないと思います。でも、神宿は4月からの3カ月連続新曲配信が、結果として功を奏しているんじゃないかと思うんです。

塩見:確かに、こんなご時世でもファンの方に楽曲やいろんなコンテンツを提供できているのは、すごくラッキーだなと思います。偶然か必然か、楽曲もMVもこういう世の中になる前に完成していたので、こうやってどんどん前に進めていることは私たちの自信にもつながっていますし。こうやって取材もしていただいて忙しかったりするので、本当にありがたいです。

ーー本来なら4月、5月とライブを行いつつ、今回のリリースにつなげていったと思いますが、実際ライブが中止・延期になっても活動が止まっている印象はまったく受けませんし。

塩見:神宿はずっとストーリー性を大事に活動していて、5月頭にやる予定だった『GRATEFUL TO YOU』もファンの方々に感謝を伝えるというツアーだったので、ライブができなくなったことでまた新たなストーリーを作り出さなくちゃいけないし、新たなテーマを作ってこれからのスケジュールを立て直さなくちゃいけないのは正直大変でもあるんですけど、まずは失速することなくファンの方に楽しんでもらえているのは正直うれしいです。

ーー実際、神宿は新曲配信に加え、YouTubeを使った生配信も積極的に続けていて、塩見さんはスピッツのカバー「空も飛べるはず」もYouTube配信しましたよね。

塩見:こんな状況でも皆さんに楽しんでもらいたいというのが、まず第一にあるし、ファンの方のためを思っていろいろな活動を工夫しながら考えているんです。カバー曲を配信したりYouTube生配信を日替わりでやったりするのも、その一心からですね。「Stay Home」って言われていますけど、私は神宿がみんなの居場所であり帰る場所でありたいと思っているので、今は直接会えないけど画面越しでも「観ていると落ち着くな」とか「大変な状況だけど癒されたな」と感じてもらいたいと考えながら、常に活動してます。

ーーまた、今家にいるからこそ出会うきっかけにつながるというのも、まったくない話ではないですよね。ライブ中心の活動では届かなかった層にも、YouTubeや新曲配信を通じてリーチする可能性も大きいですし。

塩見:そうですね。実は、「在ルモノシラズ」はもともとYouTube中心のプロモーションを考えていたんですよ。アニメーションのMVにして、楽曲もYouTubeですごく人気のあるDUSTCELLのMisumiさんに作っていただいて。そういう意味では、この状況になって功を奏した部分も大きいのかな。実際、ネットユーザーが以前よりも活発なタイミングでのリリースだったので、反響も以前より大きかったですし。よく「SNSに強い人が勝つ時代になる」と言われているけど、だからといってSNSに可愛い自撮り写真を上げたからライブの動員が増えるとは限らない。何が一番大事かと言ったら、やっぱりクリエイティブのクオリティ。いいものを届けることが一番大切なんじゃないかと思っています。

「Erasor」

■リリース情報
「Erasor」
5月16日(土)リリース
配信はこちら

「(タイトル未定)」
6月10日(水) リリース

■各種リンク
神宿公式HP
神宿公式YouTube Channel
神宿公式Twitter

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