TOMORROW X TOGETHER、The Dream Chapterシリーズで描かれる壮大な世界観 最新作MVやティザーから読み解く
「Can’t You See Me?」の歌詞にある“永遠の約束”、“世界の秘密”を深掘りしていくと、TOMORROW X TOGETHERは世界を安定させるための礎的な存在として定められているのではないだろうか。「CROWN」や「Nap of a star」で描かれている角や翼は、世界の礎になっていく上での変化なのかもしれない。あらゆる世界の終わりや崩壊を防ぐために、TOMORROW X TOGETHERは絵本の中や隔離された世界に囚われており、同時にあらゆる世界に遍在している。「Magic Island」や「Run Away」で描かれているのは、平行世界に偏在している5人が世界の礎として囚われている本来の自分たちに少しずつ気付いてく姿なのかもしれない。
今回のMVの話題に戻ると、5人が衝突を起こしていく舞台はSOOBINの家だ。そして歌詞では“Can’t You See Me?”、“助けて”など危機的な状況を訴えていることがわかる。家はSOOBIN、もしくはTOMORROW X TOGETHERの精神世界を表していると仮定できる。あらゆる世界の終わりを経験し続ける一方で、礎として隔離された世界に囚われ続けるうちにSOOBINもしくはTOMORROW X TOGETHERの自我が分裂ないし消滅しそうになっているのか。または、世界の礎となっているSOOBINもしくはTOMORROW X TOGETHERの5人が限界を迎えているため、様々な世界が終わりへと向かっているのか……。
今作のコンセプトティザーでは、モールス信号で歌詞と同じく“助けて”と呼びかけているほか、輪廻を意味すると思われる円が描かれたテーブルの上にSOOBINが囚われている。世界の終わりが永遠に繰り返される中で、SOOBINは記憶を継承し続けているのかもしれない。
TOMORROW X TOGETHERTの5人がこのまま世界の犠牲となっていってしまうのか、5人が救われる道があるのかは、今後の作品を追う上でも気になるところだ。とりわけSOOBIN、YEONJUN、BEOMGYUは世界の“外”へのつながりが強いと思われる描写がこれまでのMVでされている。「PUMA(動物園から抜け出したプーマ)」と、囚われた世界から脱出する伏線も張られており、今後どのようにこのThe Dream Chapterシリーズが展開していくのか、目が離せない。
■ヤマダ
K-POP、K-HIPHOPを中心に音楽オタクをやっている会社員
Twitter:@oyzi