乃木坂46 遠藤さくら、『non-no』専属モデルに選ばれた表現力 デビューから現在までの成長を辿る
2019年7月、遠藤にとって大きなターニングポイントとなる出来事が起こる。24thシングル『夜明けまで強がらなくてもいい』のセンター抜擢だ。『B.L.T.2020年2月号』での3期生、4期生対談の中で話されているのは、緊張しているように見られない堂々とした遠藤のパフォーマンス。
「真面目で努力家なんですけど、そういう姿を同期にさえ見せていない部分があって。でも、さくちゃんの場合、裏で努力していることは、表の姿を見るだけで分かるんですよ。本番に仕上げてくるから。なかなか、そこまでできる子っていないと思います」
先輩で同い年の久保史緒里は、遠藤の姿勢をこう評価する。同時に増えていったのが、テレビ露出。先輩の後ろ盾があるとはいえ、グループを代表してコメントすることは、並大抵のことではない。シングルセンターを経ての成長が見えたのが、同年11月に国立代々木競技場第一体育館で開催された『乃木坂46 3・4期生ライブ』。本編ラスト、遠藤が同会場で単独公演を行うのは、約6年ぶりであることに触れ、「偉大な先輩方に敬意を表して」と「ぐるぐるカーテン」を披露する姿からは、新たな時代を受け継いでいく先頭に遠藤がいることを印象付けた。
そして、遠藤の出身地・名古屋で開催された『乃木坂46 8th YEAR BIRTHDAY LIVE』では、西野七瀬の偉大なポジションを担い「帰り道は遠回りしたくなる」のセンターに。この曲は、ちょうど1年前、西野の卒業コンサートにて、4期生が先輩らと一緒のパフォーマンスした楽曲でもある。涙ながらに踊るその姿からは、乃木坂46の歴史と受け継がれていく意思、『プリンシパル』から見違えるように変わった遠藤を強く感じさせた。
遠藤は兼ねてから西野のお墨付きのメンバーであった。『乃木坂46×週刊プレイボーイ 2018』の中で、卒業を目前にした西野は「センターに立つのを見てみたいメンバー」に遠藤が挙げ、彼女のスタイルの良さ、“乃木坂感”があることを語っている。それから時が経ち、「帰り道は遠回りしたくなる」のセンターが遠藤に、さらに西野が専属モデルとして所属する『non-no』に遠藤が現役の乃木坂46メンバーとして就任するのは、なんとも運命的な流れだ。
今春、高校を卒業し、さらに仕事の幅も広がる遠藤。『non-no』の専属モデル就任は、まだまだその序章に過ぎないだろう。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter