Aqoursの中心にある“地元愛”の精神 結成5周年の輝きを3つのポイントから振り返る 

 Aqoursが4月4日、ユニット結成5周年を記念した新プロジェクト『Aqours 5th Anniversary 地元愛!Take Me Higher Project』を発表。その一環として、『ラブライブ!』シリーズ初となるドームツアー開催を明らかにした。

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 2017年開催の2ndライブ以降、埼玉・メットライフドームの常連として、ドーム規模での公演を安定して続けてきたAqoursだが、結成5周年を迎えてその活動もますます勢いづいてきたようだ。そこで本稿では、今回の新プロジェクトに寄せて、彼女たちの5年間の活動におけるターニングポイントを3点に絞っておさらいしたい。

 まずは、キャストの道標ともいえるTVアニメシリーズ放送と完全新作劇場版の公開について。そもそもAqoursとは、『ラブライブ!サンシャイン!!』において、静岡・沼津市内浦にある私立浦の星女学院の廃校を救うために結成されたユニット。その結末は、スクールアイドルの祭典「ラブライブ!」で優勝を果たしながらも、学校の廃校阻止には至らず。それでもユニットでの活動を通して、精一杯に“輝く”ことの意味を見つけるといった物語だ。

 そんなユニット活動のコンテクストがあってこそ、キャストによるライブも初めてAqoursのステージとして意味を備える。アニメの物語は視聴者はもちろん、メンバーの声を演じるキャストにとっても常に新しい道を示す役割を持ち、その双方が同じ文脈を“共有”することで、『ラブライブ!』特有の一体感が生まれるのだろう。より簡単な例でいえば、アニメPVとの“シンクロ”が挙げられることの多いライブパフォーマンスも、あくまで映像ありきで作られている。それらを踏まえるに、TVアニメの制作と放送は、Aqoursにとって大きなターニングポイントのひとつだったに違いない。

 続いては、2018年11月に開催された、東京ドームでのワンマンライブ『ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! 〜Sailing to the Sunshine〜』だ。ここでは、会場キャパシティの規模感もそうだが、何より特筆すべきは音楽表現へのこだわりぶり。同公演では、『ラブライブ!サンシャイン!!』の劇伴を制作した加藤達也を指揮に迎え、浦の星交響楽団が生オーケストラで演奏を披露。アニメシーンのひとつひとつを細かに再現することで、メンバーとキャストのシンクロ具合に観客をぐぐっと引き込む演奏を奏でてくれた。

 その一方、TVアニメ第1期11話の挿入歌「想いよひとつになれ」では、劇中には存在しない、ライブ限定のシーンを新たに創作。本来ならば、ピアノコンクールに参加している桜内梨子(CV:逢田梨香子)を除いた8名で披露されるはずだが、東京ドームのステージでは、逢田がピアノ前奏を実際に奏でた後、残りのメンバーとのステージに合流。Aqoursのキャストがアニメの物語を跳躍するという、あらゆるエモーショナルを請け負う、まさに『ラブライブ!』らしい演出を届けてくれた。

 音楽の力を通して、それまで以上にアニメの内容に寄り添いながらも、同時にそこから切り口を変えて、キャストによるユニット独自の成長を力強く示した東京ドーム公演。蛇足だが、逢田がこのピアノ演奏やステージを通して、“過去の清算”をできた点も含めて、Aqoursが前に進む上で大きな転換点だったに違いない。Aqoursの歩みを語る上で欠かせない重要なポイントといえる。

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