Code Orange、オジー・オズボーン、5FDP、In This Moment……良作続きのメタル/ラウドシーンで注目すべき7作

 新型コロナウイルスの影響でエンタメ界はかつてない大打撃を受けていますが、もちろんこれはハードロック/ヘヴィメタル(以下、HR/HM)シーンにおいても同様で、3月末に予定されていた『KNOTFEST JAPAN 2020』や『DOWNLOAD JAPAN 2020』の開催延期や、数多くの海外アーティストの来日延期・中止などが続いております。

 しかし、そんなネガティブな状況を吹き飛ばすがごとく、「HR/HMは死なず!」と高らかに宣言するような良作が今年2月から4月にかけて多数リリースされています。本来ならそのすべてを紹介したいところですが、ここではその中から7作品をピックアップ。誰もが知るレジェンドから現在のシーンを牽引する若手まで、HR/HMをベースに進化し続けるエクストリームミュージックの“今”をこれらの作品から感じ取ってください。

Code Orange『Underneath』

Code Orange『Underneath』

 <Roadrunner Records>へのメジャー移籍作『Forever』(2017年)が海外の音楽誌で高評価を獲得し、米・グラミー賞のBest Meta Performance部門にノミネートされるなど、一躍知名度を高めたハードコア/メタルコア・バンドCode Orange。2008年のバンド結成時は中高生だったメンバーもすでに20代半ばに差し掛かり、アーティスト/表現者として成熟期を迎えようというタイミングに発表されたのが、この新作『Underneath』です。

 過去3作を手がけたカート・バルー(Converge)が初めて制作から離れ、MastodonやDeftones、Halestormなどで知られるニック・ラスクリネクツとメンバーのジャミー・モーガン(Vo/Dr)の共同プロデュースで完成させた本作は、Nine Inch Nailsでもお馴染みのクリス・ヴレナがプログラミングで参加。前作で導入されたデジタル/インダストリアル要素が全面的に強調された、新境地的作品に仕上がりました。そのサウンドもハードコアがメタルやパンク、グランジ、ニューウェイヴ、ヒップホップを飲み込み、インダストリアル風味で味付けした、まるで血が吹き出るほどの肉感性と冷徹さに徹した機械性が共存するかのような強烈なもの。シンプルなようで実は脳処理が追いつかないほどの情報量、そんな密度の高いサウンドが凝縮された本作は、間違いなく2020年を代表するエクストリームミュージックの傑作であり、今絶対に聴くべきロックアルバムのひとつです。

Code Orange – Swallowing The Rabbit Whole [OFFICIAL VIDEO]

Ozzy Osbourne『Ordinary Man』

Ozzy Osbourne『Ordinary Man』

 前作『Scream』(2010年)から実に10年ぶりの新作として今年2月下旬にリリースされたオジー・オズボーンの11thアルバム『Ordinary Man』は、ポスト・マローンの作品などで知られるアンドリュー・ワットをプロデューサーに迎えた意欲作。過去20年以上にわたる相棒であったザック・ワイルド(Gt)に代わってアンドリュー自身がギターも弾き、Guns N’ Rosesのダフ・マッケイガン(Ba)とRed Hot Chili Peppersのチャド・スミス(Dr)がリズム隊として参加という、古くからのファンには反感を買いそうなラインナップですが、楽曲自体は名盤『No More Tears』(1991年)で築き上げたスタイルを軸に、モダン・ヘヴィネスへ路線へと果敢に挑んだ『Ozzmosis』(1995年)以降の試行錯誤がようやく完成形にまで到達させることができた。そんな集大成感の強い1枚と言えます。

 Black Sabbath時代を彷彿とさせるスタイルもありつつも、先のプレイヤー陣による主張の強すぎない演奏がボーカルやメロディを際立たせることに成功し、純粋に楽曲の良さを楽しむことができる。しかし、かといって地味になりすぎることもないのは、Guns N’ Rosesのスラッシュ(Gt)やRage Against The Machineのトム・モレロ(Gt)、そしてエルトン・ジョン(Vo/Piano)といったゲストミュージシャンの功績以上に、パーキンソン病発症にも負けないオジーのカリスマ性によるものが大きいのではないでしょうか。そういった意味でも、本作は『No More Tears』以降のオジーにとって新たなピークと呼べる1枚ではないでしょうか。

Ozzy Osbourne – Straight to Hell (Official Music Video)

Testament『Titans Of Creation』

Testament『Titans Of Creation』

 つい先日、フロントマンのチャック・ビリー(Vo)が新型コロナウイルスに感染したことを発表(一緒にツアーを回ったExodusやDeath Angelのメンバーも感染)し、多くのメタルファンを動揺させたTestamentですが、数日前に発表されたばかりのニューアルバム『Titans Of Creation』はそんな不安を見事に払拭してくれる、最強のスラッシュメタルアルバムに仕上がっています。

 前作『Brotherhood Of The Snake』(2016年)ではハードコア度の高いアグレッシヴな内容で反響を呼びましたが、約4年ぶりの新作となる今作ではオールドスクールスラッシュメタルをテーマに、往年のTestamentサウンドを現代的に昇華させた“オールドスクールなのに最新形”という最強のメタルチューンをたっぷり楽しむことができます。アレックス・スコルニック(Gt)による独特な音階を用いたソロプレイや、ジーン・ホグラン(Dr)が叩き出す重量感の強いリズム、それらが緩急に富んだスラッシュチューンを大いに盛り上げており、こちらもTestamentにとって集大成的な内容、かつ最高傑作と言えるでしょう。

TESTAMENT – Children Of The Next Level (OFFICIAL VISUALIZER)

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