SIRUPにとって2020年は飛躍の年に? ティーンの心を掴んで離さない音楽性を紐解く
知識・経験共に兼ね備えたR&Bサウンド
ここまで2018年末からの彼の活動について述べてきたが、ここまで順当に実績を積むことができたのは実力があってこそ。SIRUPの音楽性を支えているのは、圧倒的な経験値と知識だ。
ソロシンガーKYOtaroとして活動してきた期間から数えると、そのキャリアは優に10年を超している。ましてや大学のゼミではブラックミュージックを専攻し、ゴスペルシンガーの歴史を研究、発音の授業をいくつも受講していた知識派。それだけに飽き足らず、大阪のゴスペルクワイアに所属し、7年間で徹底的に基礎を叩きこんだという経歴もある。だからこそ、オシャレかつ本格的な今のSIRUPクリエイティブが存在しているのだ。
そんな彼の強みは、楽曲を華麗に乗りこなす鮮やかなボーカルワーク。低い声でディープに歌ったかと思えば、次の瞬間には伸びやかなハイトーンを響かせる。知識・経験ともに兼ね備えてるSIRUPだからこそ歌える音楽を、彼は紡ぎだしているのだ。
また、R&Bやソウル、ヒップホップをベースにし展開した楽曲は、「おしゃれな音楽」として若者からの信頼も熱い。現にTikTokでもおしゃれな映像に合わせるBGMとして用いられることが多く、“センスのいい音楽”という認知がティーンに根付いてることが見て取れる。
そして飛躍の年になるであろう2020年、SIRUPが3月25日にニュー EP『CIY』をリリースした。アップビートな「Why Can’t」やゴスペルが印象的な「Your Love」など、SIRUPの今まで、そしてこれからがぎゅっと詰まった作品となっており、彼の本格的なSIRUPクリエイティブを垣間見ることができる。
さらに注目したいのが、3月14日に配信され、3月31日までYouTubeにて公開されているスタジオライブだ。クリエイティブ、彼の歌唱力、表現力、そしてバンドメンバーと一丸となった配信となっており、『CIY』からも3曲演奏しているのでぜひご覧いただきたい。
日の当たらない時をこえ、今を引き寄せたSIRUP。一つずつの出来事を無駄にせず人気に繋げることができたのは、彼のたゆまぬ努力に他ならないだろう。自由自在にSINGとRAPを舞い踊る彼の表現が、今後どのような情景を描いてくれるのか楽しみだ。
■坂井彩花
ライター/キュレーター。1991年生まれ。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。Rolling Stone Japan Web、EMTGマガジン、ferrerなどで執筆。Twitter
■リリース情報
SIRUP『CIY』
リリース日:3月25日(水)
①RZCB-87017/B【CD(Mini AL)+DVD】¥3,800(税抜)
※初回生産限定盤/デジパック仕様
※各地でソールドアウトとなったSIRUP初の全国ツアー『SIRUP "FEEL GOOD" TOUR 2019』東京公演の模様を、初の映像コンテンツとしてDVDに収録。
②RZCB-87018【CD(Mini AL)】¥1,800(税抜)
※初回仕様:デジパック
<CD収録内容>
1.Need You Bad
2.MAIGO feat. Joe Hertz
3.Why Can't
4.Light
5.Your Love
6.Ready For You
7.Pool(Tepppei Edit)
・各地でソールドアウトとなったSIRUP初の全国ツアー SIRUP『"FEEL GOOD" TOUR 2019』東京公演の模様を、初の映像コンテンツとして初回生産限定盤DVDに収録。
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