Kis-My-Ft2、DA PUMP……ダンスミュージック×男性ボーカルが生む独創的なケミストリー 新譜5作をピックアップ

 “音楽=おもちゃ”をテーマにしたKis-My-Ft2のニューアルバム、”つり革ダンス”も話題を集めているDA PUMPのニューシングルなどを紹介。ダンスミュージック×男性ボーカルの独創的なケミストリーを楽しんでほしい。

Kis-My-Ft2『To-y2』(初回盤A)

 シングル曲「HANDS UP」「Edge of Days」を含む、Kis-My-Ft2のニューアルバム。『To-y2』(読み:トイズ)というタイトル通り、「Kis-My-Ft2が産み出す「音楽=おもちゃ」を使って一緒に遊び、幸福・感動を分かち合い、人生を豊かに彩ろう」というテーマが掲げられた本作は、時代とジャンルを行き来するような、色彩に溢れたサウンドと表情豊かな歌を堪能できる作品に仕上がっている。シンガロング必至のコーラスが印象的なアンセム風ナンバー「To Yours」、現在進行形のR&B、エレクトロのエッセンスを加えた「Letting Go」、ダンスホールレゲエとトロピカルハウスが混ざり合う「Positive Man」など、独創的なトラックと親しみやすいポップ感を共存させた楽曲もたっぷり。多彩なリズムをナチュラルに乗りこなし、歌詞をわかりやすく届けるボーカリゼーションもさらに向上している。

Kis-My-Ft2 / To Yours MUSIC VIDEO
DA PUMP『Heart on Fire』(CD+DVD)

 煌びやかなシンセを軸にした80‘sユーロビート直系の音像のなかで、ファンクネスを効かせたベースライン、厚みのある低音を押し出したキックが絡み合う。DA PUMPの2020年第1弾シングルの表題曲「Heart on Fire」は、再ブレイク以降の彼らのスタイルを踏襲しつつ、親しみやすいポップチューンに結びつけた楽曲。歌謡曲の郷愁テイストを交えたメロディ、ホーンのサウンドととともに大仰に盛り上がる展開を含め、ベタに盛り上がれる歌モノ・ダンスチューンに仕上がっている。享楽的なビートを際立たせながら、〈能天気でいい/君の行く先はシャングリラ〉というキャッチーな歌詞を放つISSAの歌も最高。歌の意味とか内面的な表現ではなく、どこまでも快楽的に言葉を響かせるセンスはやはり抜群だ。

DA PUMP / 「Heart on Fire」YouTube ver. + Spot
KEITA『inK』

 w-inds.の橘慶太のソロプロジェクト“KEITA”名義の約4年ぶりのソロアルバム『inK』は、昨年1月から12カ月連続で配信された楽曲、2曲の新曲による構成。あえてサウンドの方向性を決めず、その瞬間のインスピレショーンに従って制作されたトラックには、R&B、EDM、ファンク、ソウルなどがナチュラルに内包され、彼自身のルーツミュージックからの影響と今現在のモードが“インク”のように滲み出た作品となった。岡崎体育をフィーチャーした「Tokyo Night Fighter feat. 岡崎体育」のスタイリッシュ感覚とエンタメ性の混ざり具合(KEITAと岡崎はオンラインゲーム仲間だとか)、そして、ファンからの「バラードが聴きたい」というリクエストに応え、“母親に向けた手紙”をテーマに制作された「Someday」におけるシンガーとしての豊かな才能にも注目してほしい。

KEITA / Be On The Stage (Official Audio)

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