超特急が語る、ツアー『Revolución viva』とこれからのモード 「2020年は準備を着々としていく年に」

超特急が語る最新ツアーとこれから

0からまた超特急というものを組み立てていける年にできたら(ユーキ) 

ーーではここから、DISC-1の東京公演について聞かせてください。冒頭で和テイストの「Overture」や「SAY NO」に度肝を抜かれるような形でスタートしましたね。序盤はテンション高めの楽曲が続きましたが、デビュー曲の「TRAIN」をフルでやるのは結構久々でしたよね?

ユーキ:既存の形でやること自体も久々だったんですけど、「TRAIN」って僕たちのデビュー曲で原点ですし、サウンドからも“ここから始まる感”“やっていくぞ感”みたいなものを感じられる曲だと思うんです。8号車のみなさん……昔から応援してくれている方に向けてというのはもちろん、最近乗車してくれた方にとっても僕たちにとっての大切な曲をしっかり披露して、ライブの空気感に勢いを出したいという気持ちでここに入れました。

ーーこの日はなんといっても殺陣(S.B.N Japanese Battle)のスケール感と迫力が印象に残っています。

ユーキ:お正月=和なイメージを表現しながらもきちんとショーとして見せたかったので、殺陣の連続! というよりは、ショーダンスを入れたりバランスにはこだわって、今までにない殺陣のゾーンにできたと思います。

ーーこれまでのライブでも2014年の『ikkiにホールで福おこしだ!!!!!!!』や2016年の『愛す。in Wonder Land』で殺陣に挑戦されてはいましたけど、今回は花道までステージをフルに使ってもいたし、スケール感が全然違いましたよね。ガチ感というか。

ユーキ:ガチ感、そうですね。今回は踊りと殺陣を使い分ける形でショーにして提示したので、そういう意味では過去一こだわったといえます。

ーーリハーサルはどのくらい前からスタートしていたんですか?

カイ:実は殺陣自体は3日間くらいしかリハができなかったんですよ。

リョウガ:全体のリハーサルが始まったのが本番の半月前くらいでしたから。本当に当日ギリギリまでリハをやっていました。

ーー一人ずつ使う武器が違ったりしたじゃないですか。キャラクターを反映しているようなニュアンスもあって興味深かったんですよ。雅なイメージのリョウガさんの扇子とか。あの激しいステージの中で、タカシさんだけ戦うというよりも刀を使って舞う感じの変化球だったのが面白かったです。

タカシ:そういえば僕、ステージで刀を持つのが初めてだったんですよ。『ikki~』では棒みたいなのを持って戦ったし、当時は農民やったから。『愛す。~』のときも、白鳥のお面みたいなもので、一蹴りで敵をやっつけるみたいなオチだったので。8年経って、やっと刀持てたな……みたいな感動はありました。

ーーリョウガさんは以前の取材(参考)で「殺陣がシンプルにキツかった」ともおっしゃっていましたが。

リョウガ:やっぱりどんなに気をつけていても、参加人数も多いですし、気を抜いたら誰かがケガしかねないので。本当にギリギリまで調整や変更を繰り返して、何とか形にして見せることができた。なので、今回の東京公演の中でもほかの演出とは違う気の遣い方というか、心持ちで臨んだシーンではありましたね。

カイ:大変だった甲斐あって、僕らの想像以上にお客さんのリアクションも大きかった記憶があります。

ーー東京公演の衣装はタクヤさんがフルプロデュースされていますが、ここでのグレーのオールインワンもユニークでしたね。

タクヤ:あれは自分の中でも挑戦だったんですよ。ありきたりな感じのものにはしたくなかったので、サイズ感や動きやすさも含めてギリギリまで悩んだり、調整を重ねたものです。背中に付けたフリンジが個人的にお気に入りなんですけど、“超特急”の文字を背負うのって、サッカー選手の背番号みたいな感じでカッコいいなと思ったので。

ーーそういう意味があったんですね。殺陣に続く、「Kura☆Kura」の和バージョンも素敵でした。金ピラ(注:箱の中から大量の長い金色の紙があふれ出す伝統奇術)を使っていましたが、あれがけっこうシュールで。

リョウガ:あれはね、僕たちにとってもすごく難しかったんですよ。「どうしようこの間……どういう表情でいればいいんだろう?」みたいな。

タカシ:初めて名前聞いたときにきんぴらごぼうのことかと思って。

カイ:それは健康的なおかずだわ(笑)。

リョウガ:でも、あのアナログ感が新鮮だったと思うんですよ。いろんな意味で空気をがらりと変えられる瞬間でもあったので。「あの金のピラピラ、なんだかよくわからないけどすごかったね」みたいな、心に残る要素の一つとしてお届けできたのなら、ある意味、超特急らしい演出なのかなって。

ーーそして中盤の「Full moon」からはセクシーかつグルーヴィな楽曲を連投していくじゃないですか。ああいう大人っぽい演出がいつの間にか似合うようになりましたよね。

リョウガ:それは嬉しいですね。

ユーキ:実は代々木の中で核として考えていた楽曲が、椅子を使って踊る「Body Rock」だったんですよ。みなさんの想像力をかきたてるように激しくセクシーな曲であり演出なので、その後もガツガツした感じではなく、グルーヴィーなサウンドの曲を並べて余韻に浸ってもらいたいなという意図もありました。スタンドマイクで披露した「STYLE」とかね。そろそろここらで、超特急がこれまであまり見せてこなかったような大人感、余裕感みたいなものを見せられる僕らでいたいという願望もありつつの。

ーー進化を見せるゾーンだったと。あとこの3daysで東京公演のテーマ曲「On & On」が初披露されました。アリーナロックというか、これまでの超特急のレパートリーにはなかったタイプのスケール感と力強さがあります。

タクヤ:踊っていてすごく気持ちいいんですよ。Bメロからサビ前の〈生きてる証を この世界に刻みこめ〉までのあたりがすごく好きです。

ーータカシさんの歌ラップ的なパートにも「そう来たか!」的なワイルド感があって。

タカシ:確かに「Don’t Stop 恋」とかとはまた違ったタイプの変化球だなというふうには思います。面白さもカッコよさもあるし、この曲はある意味、2020年の僕らの決意表明みたいな部分もあったりしますね。歌詞の言葉の一つひとつをかみ砕いて聴けば聴くほど、僕らの“今”がわかりやすく伝わる曲なんじゃないかな。

ーーなるほど。ツアー最終日は「gr8est journey」で締めていましたね。この曲を選んだのは?

ユーキ:年始ライブですし「2020年も最高の冒険をしていこう!」という意味で。ある意味、僕らの希望というか気持ちも、あの曲に乗せていた部分がありますね。最高の未来を明るく進んでいけるような年にしていきたい……という願望も込めて、この位置に入れています。

ーー新春らしい、明るい感じで終わりましたね。今回は大阪、東京両方で使ったムービングステージもそうですが、会場全体のお客さんへの配慮というものをすごく感じました。

ユーキ:ムービングステージは初めてでしたけど、その使い方については最初から最後まで、かなり練って作っていったんですよ。もちろんボール投げみたいな定番の演出もありましたけど、8号車が沸いているのを観ながら、僕らも嬉しかったですね。

ーー今回は初の試みで、オールマルチスクリーンディスクが付くんですよね。

タクヤ:東京公演分は1画面に防犯カメラみたいにバーッと49台分の映像が映るんです。

カイ:デパートの管理ルームみたいな感じです。

ユーキ:一つひとつの画面は小っちゃいんで、目を凝らして楽しんでいただけたら。

ーー「Kiss Me Baby」でスクリーン画面が5分割になって全員のキメ顔が見られる、というのがあったじゃないですか。8号車のみなさん的にもマルチアングルは嬉しいサービスだと思うんですよ。

タクヤ:これからも8号車のニーズに応えていこうと。

タカシ:例えば“カイ編”“リョウガ編”とか、1曲まるまる誰かを追いかける映像でも面白そうやけど。

リョウガ:推しカメラみたいなやつね。気が抜けねぇな!?

タクヤ:追う側も飽きると思いますよ。「もういいでしょこの人は」って(笑)。

カイ
リョウガ
タクヤ
ユーキ
タカシ
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ーーそして今回の代々木のMCでの発言で、「2020年はオリンピックを超えていく」みたいな宣言がありましたが。

タカシ:けっこうデカいこと言ったな!?

リョウガ:誰だ、そんなこと言ったの。

タクヤ:リョウガが言ったんだよ。

リョウガ:「そのくらい強気で行こうぜ!」みたいな……言ったね(笑)。

ユーキ:東京というか日本が時代の節目を迎える今年は、僕たちにとっても革命的な年になるんじゃないかと思いますし。0からまた超特急というものを組み立てていける年にできたらいいなと思っていますね。

ーーそれで、タイトルが『Revolución viva』なんですか?

ユーキ:そこまで大げさには考えてなかったですけど(笑)。でも革命を起こしていきたいっていう気持ちはずっと持ってますし、2020年はそのための準備を着々としていく年になるのかなと思います。

ーー今年の超特急はどんなモードなんでしょう? という話題で終わりたかったんですけれども。

リョウガ:そうですね、でも……希望を持っていいんじゃないかな?

カイ:前向きに捉えてほしいというか。

タカシ:2020年はこれまでにいろいろ言ってきたことを、有言実行したい年でもありますね。そこは楽しみにしていて欲しいです。

『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva』

■リリース情報
『BULLET TRAIN ARENA TOUR 2019-2020 Revolución viva』
発売:2020年3月25日(水)
価格:¥10,560(税込)
仕様:Blu-ray3枚組/68ページブックレット/三方背ケース/デジパック

■ツアー情報
『ARENA TOUR 2020 SPRING WELCOME TO THE BULLET TRAIN DINER』
6月9日(火)神奈川 ぴあアリーナMM 開場17:30/開演18:30
6月10日(水)神奈川 ぴあアリーナMM 開場17:30/開演18:30
6月13日(土)大阪 エディオンアリーナ(大阪府立体育会館) 開場16:00/開演17:00
6月14日(日)大阪 エディオンアリーナ(大阪府立体育会館) 開場14:00/開演15:00

オフィシャルサイト

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