内田彩が挑んだ、声優アーティストとして異例の無観客配信ライブ　どんな場面でも笑顔でいることの尊さを刻む

　内田に限らず、無観客ライブはアーティスト側の採算が取れないものだ。ましてや声優アーティストとなれば、一般的な認知度はもちろん、様々なリソース分配の優先順位を想像するに、無観客ライブを勧んで開催するのは難しいだろう。声優アーティストによる無観客ライブ配信をここ数カ月で目にしないのは、そういった理由のためだと思われる。

　しかしながら、内田本人によるファンを笑顔にしたいという強い希望や、彼女の音楽活動を全力でサポートするチームの尽力があって、今回の無観客ライブは千円にも満たないチャリティ価格で我々の元に初めて届いたわけだ。声優アーティストが無観客ライブを開催したという事実を含めて、この日のステージには様々な側面で、“当たり前が当たり前でなくなること”が描かれていた。たとえ当初の意図とは異なっていても、内田がその場所に合わせた新たな羽ばたき方を見つける過程には、視聴者の誰もを勇気づけたと確信している。

　この日も披露された「グロー」にこんな歌詞がある。〈答え合わせできないならば／選んだ道を 正解にしよう〉。来たる8月のライブでは、満員の会場が“いろんな笑顔”に包まれることだろう。その光景に“大きなマル”を付ける内田彩の姿が、今から楽しみで仕方がない。

◼︎一条皓太
出版社に勤務する週末フリーライター。ポテンシャルと経歴だけは東京でも選ばれしシティボーイ。声優さんの楽曲とヒップホップが好きです。Twitter：@kota_ichijo

■LINE LIVE
・AYA UCHIDA「Reverb」リリース記念無観客配信ライブ～d ecorate your live!～
※PCからの視聴不可。
※視聴にはLIVEコインが「600コイン」必要。
※アーカイブ視聴期間は購入日から7日間。

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