FLOW、アニメ×ロックの最前線を走り続けるパフォーマンス 『アニメ縛りリターンズ』を振り返る

FLOW『アニメ縛りリターンズ』レポ

 三者三様、楽器隊の挨拶を受けて「まだ半分行ってません!」と煽るKEIGO。そこにかぶさるのは、レントンとエウレカの声ではないか。

「I Can Fly!」

 またもや出た、名セリフ。『交響詩篇エウレカセブン』からの「DAYS」「Realize」、そして「ブレイブルー」は、FLOW流ダンスロック路線を定着させた名曲ばかり。大スクリーンいっぱい繰り広げられるリフティングも、爽快の一言。「ブレイブルー」のペンライトはもちろん青一色。みんなよくわかってる。

 ベルベットの声が聞こえたら、それは『テイルズ オブ』シリーズの始まりの合図。「BURN」にかけて、ステージの上では炎が上がる。スレイ、ミクリオ、ロゼ、アリーシャの声でさらにエンジンをかけ、「風ノ唄」から「INNOSENSE」へ。大量のスモークがステージを覆い、劇的なサウンドがドラマを盛り上げる。GOT’Sのスラップがばしばし決まり、宴は最高潮だ。

「アニメの曲は、ただのタイアップだと思っていません。作品とぶつかりあって、向き合って、コラボさせてもらってます。これからも全力で作品に、そしてみんなに、ぶつかっていきたいと思います。コラボレーションさせてもらった全作品に感謝します」

 KEIGOの熱いMCに満場一致の拍手が応える。「アニソン? ロック? ジャンルをぶっ壊せ!」と声高らかな宣言から始まるラストスパートは、FLOW×アニメ史の中でも最も関わりの深い、『NARUTO -ナルト‐』シリーズとのコラボ曲を一気に聴かせる、“NARUTO祭り”だ。ミラーボールが美しく回る「光追いかけて」を皮切りに、ナルト、サスケ、サクラ、シカマル、ヒナタの声の応援を得て一気にヒートアップ。「おまえらの真っ直ぐな忍道を見せてくれ!」とナルトに言われたら、見せ方がわからなくても関係ない、ぶちあがるのみ。明るく爽やかな「Re:member」、炎とレーザーのラウドロック「Break it down」、ドラゴン花火が火を噴く「SUMMER FREAK」、ラーメン「一楽」を舞台にしたバックの映像が切ない「虹の空」と、あの手この手で盛り上げる。「まだまだ飛べるだろ!」、とKEIGOが煽る。FLOWのキラーチューンNo.1「GO!!!」は、走る、飛ぶ、跳ねる、コール&レスポンス、ウェーブ、金テープ発射と、何でもありで急上昇。さあ、クライマックスご一緒に。

「今日歌わせてもらったすべての楽曲、作品、そして目の前のみんなが俺たちの誇りです。これからも俺たちにしか歌えない歌を歌っていきます。これからもよろしく!」(KEIGO)

 この日の24曲目、“アニメ縛り”のフィナーレを飾ったのは「Sign」だった。YouTubeで2000万回再生を突破した、FLOW×アニメ史に燦然と輝く代表曲。サビで観客が熱唱し、スクリーンに、ニコ生と連動したコメント欄が流れる。「最高」「圧倒的感謝」「優勝」ーー膨大な書き込みが、ライブの興奮が動画を通して伝わったことを証明する。バラードなし、全力疾走で駆け抜けた2時間半。宴が済んで日が暮れて、最後はなごやかな記念撮影、合言葉は「アニメ縛りリターンズ!」「最高!」だった。

 メンバーが去り、エンドロールで流れる「Sign」、そして最後にもう一つお楽しみ。スクリーンに再び姿を現したのはゼロだ。

「素晴らしいライブをありがとう。それではまたいつかお会いしよう……」

 みんなのセリフを代弁する優しいゼロ。楽曲、演出、すべてが“アニメ縛り”だからこそ実現した熱狂のライブは、これにて全編終了。アニメとロックの融合の最前線で走り続ける、FLOWの底力を見せつけるパフォーマンス。“信じた道をひたすら進め”、それがFLOWの忍道だ。

(写真=kimura yasuyuki)

(メイン写真=Shibata eri)

FLOW公式サイト

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