DREAMS COME TRUE×ガンダム、相乗効果を見せた幸福なコラボ 『Gレコ』テーマ曲ならではの創造性
DREAMS COME TRUEが2月19日、『あなたとトゥラッタッタ♪/THE WAY I DREAM』(2018年)以来1年半ぶりとなるシングル「G」を配信リリースした。この曲は、ガンダムシリーズの新作・劇場版『Gのレコンギスタ』のテーマソング。“ドリカム×ガンダム”のコラボレーションとして大きな注目を集めている。
アニメ『Gのレコンギスタ』は、ガンダムの生みの親である富野由悠季が、総監督として15年ぶりに手がけたシリーズ。劇場版はテレビアニメ『Gのレコンギスタ』(2014年)に新作カットを追加し、映像を再編集した全5部作の作品で、2019年に劇場版の第1部「行け!コア・ファイター」、そして、第2部の「ベルリ 撃進」が2月21日から2週間限定で全国公開される。主題歌(GARNiDELiA「BLAZING」)、エンディング曲(ハセガワダイスケ「Gの閃光」)はすでにあるが、新たな音楽をドリカムに作ってほしいという富野監督のオファーにより、このコラボが実現したというわけだ。
“Gレコ”のポスターをもとに(ポスターには、富野監督が劇場版で描いたことがすべて込められているという)制作されたという「G」は、アグレッシブなファンクビートから始まる。宇宙空間でのバトルシーンを想起させるスリリングなサウンドから一転、華やかなブラスサウンドに導かれるのは“これぞドリカム!”と称すべきダンサブル&ポップな音像。冒頭40秒を聴いただけで、“ドリカム×ガンダム”の創造的なコラボレーションが高い精度で提示されているのがわかる。緊張感のAメロから圧倒的な解放感に溢れたサビのコントラストも印象的。このドラマティックな展開もまた、“再征服”をタイトルに冠した劇場版『Gのレコンギスタ』のストーリーに寄り添っている。
サウンドメイク/アレンジの軸になっているのは、70年代後半~80年代前半のファンク、ディスコ。それは言うまでもなく、ドリカムの音楽的ルーツだ。さらに近未来的なサウンドスケープを加えることによって、ガンダムの世界観も見事に反映させている。もともと『Gレコ』は、「子供たちに向けたメッセージを子供向けにならない形で届けたい」という富田監督の意向もあり、いわば“脱ガンダム”もテーマの一つ。これまでのガンダムの楽曲やアニメソングを意識せず、現在進行形のドリカムサウンドを自由に表現したことも、楽曲「G」のクリエイティビティの高さにつながっていると思う。