JO1のデビューはなぜここまで盛り上がった? 日本版“プデュ”からの軌跡を追う
話題沸騰の11人組ボーイズグループ・JO1(ジェイオーワン)。
ファンではなくとも、SNSやテレビでこのユニット名を目にしたことがある方は多いのではないだろうか。
彼らは3月4日にデビューシングルをリリースしたばかり。しかし、デビュー前から幾度もSNSのトレンドに姿を見せてきた。ワイモバイルやNIKE_ONEプロジェクトの広告に起用され、情報番組出演や『anan』、『日経エンタテインメント!』を始めとする雑誌を彩り、ファンミーティングは超激戦の倍率。そして、デビューシングル『PROTOSTAR』は3月10日発表のオリコン週間シングルランキングで初登場1位を記録した。
とにかく今、JO1は勢いがありすぎる。新星のように現れた彼らが、なぜここまでの人気を博すようになったのか。まずはJO1というグループの成り立ちから紐解いていこう。
デビュー前から応援できるサバイバルオーディション番組の特性
JO1を生み出したのは、サバイバルオーディション番組『PRODUCE 101 JAPAN』。略して“プデュ”と呼ばれるこの番組の特徴は、視聴者一人一人が”国民プロデューサー”として101人の練習生から“推し”を選んで投票し、その結果が11人のデビューメンバーを決めるという点だ。
彼らの懸命に努力する舞台裏の姿、その成果を発揮するステージ、練習生同士の微笑ましいオフショット。“プデュ”はGYAO!での本編配信の他に、YouTube、Instagram、Twitter等で余すことなく供給を続けた。番組が進行するにつれて“推し”が増えていく視聴者は多かったことだろう。
しかし、“プデュ”がオーディション番組であるからには、全員でデビューすることは叶わない。中間順位が下位だった練習生は残念ながら脱落となり、その想いを背負った練習生たちが、さらなる闘いに挑んでいく。さながら少年漫画のような熱いドラマが、この現実で、リアルタイムで生まれていった。
視聴者にとって過酷だったのは、投票できる人数が11人から2人、1人……と徐々に絞られたことだ。11人のお気に入りメンバー(11pick)を選んだ矢先に、その中で「たった1人」(1pick)を選ばなければならなくなる。同じ練習生を応援するファン同士で結束し、友人にも投票を呼び掛ける。本気で推しを応援する”国民プロデューサー”たちが『PRODUCE 101 JAPAN』を盛り上げたのだ。
“プデュ”出演時からのパフォーマンスの成長ぶり
昨年2019年12月11日、『PRODUCE 101 JAPAN』の最終結果が発表され、デビューメンバー11人が決定した。選ばれたのは、1位から順に、豆原一成、川尻蓮、川西拓実、大平祥生、鶴房汐恩、白岩瑠姫、佐藤景瑚、木全翔也、河野純喜、金城碧海、與那城奨の11人。応援していたファン達は歓喜に沸いたが、すぐに彼らはデビューの準備に入り露出が激減。“JAM”(=JO1のファン)達には辛い日々が続いた。
そして今年2月に入り、デビューシングルのMVやメイキングビデオが公開されていくと、JAM達は大いに揺れた。そこに居たのは、まるで別人のように成長した11人の姿。自信に満ち溢れたパフォーマンスを見せる、圧倒的なグローバルグループだった。
『PRODUCE 101 JAPAN』内でのステージは、やはり全員が成熟した技術を持っているわけではなく、彼らの等身大の努力を楽しむ側面もあった。しかし今「無限大(INFINITY)」のMVを見て、この中に数カ月前までダンス未経験だったメンバーがいると信じられるだろうか? 凄まじい速度で成長し、「世界の頂点を目指していく」というビジョンに恥じない完成度に至ったJO1は、デビューまでのバックボーンを知らない新たなファンの心もこの先掴んでいくだろう。