JO1のデビューはなぜここまで盛り上がった? 日本版“プデュ”からの軌跡を追う

個性のぶつかり合いこそが魅力に

 11人という大所帯の中で、個々のメンバーが放つ魅力も語らざるを得ないだろう。JO1には無難なポジションの人物はいない。無論これはどんなグループにも言えることだろう。あえて言うなら、JO1には「"頂点を狙える人材"しか居ない」のである。

 『PRODUCE 101 JAPAN』において、彼らは何物でもない存在だったが故に、一人ひとりが物語を紡ぐ唯一無二の主役であった。練習生たちは中間順位が11位以上(デビュー圏内)に収まったとしても、決して慢心することなく努力を続けた。最終順位で見事1位となったのは豆原一成だったが、中間順位では川尻 蓮、川西拓実も101人の頂点に立ったことがある。彼らは1位でも順位を上げようと、常にしのぎを削ってきた。

 そんな熾烈なオーディションから、珠玉の11人が選び抜かれたグループ。例えるなら、主菜だけのフルコースを食べるような感覚だろうか。どのメンバーに注目しても、異なる魅力が溢れていて、(MVを再生する)手が止まらないのである。

 視聴者投票から生まれたJO1は、何らかのコンセプトのもとにバランス良く組まれたグループではない。「無限大(INFINITY)」のMVでも、独特な世界観のカットが目まぐるしく切り替わる中で、メンバー達が踊り歌う姿を見ていると、やはり個性のぶつかり合いこそがJO1の魅力なのではないか、と感じさせられる。

 華々しい第一歩を踏み出したJO1。恐るべきは、SNSのトレンドも雑誌の巻頭特集も、まだ全てJO1が花開く前夜の出来事に過ぎなかったということだ。デビューシングルを世に放ち出し、表舞台に登場した彼らは、この先どんな"次"を見せてくれるのか。彼らの前に、無限に広がっていく世界が、楽しみでならない。

■宮崎栞
編集・ライター・プランナー。編集プロダクションでエンタメ系の書籍・雑誌制作に多数携わり、現在フリーランスとして活動中。Twiter(@siorin7work

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